ROUND 7.3  七日目(2)  アテネ終日フリー







9月21日(火)



      <愛の生まれる窓辺>


   ギリシャ人の良く判らん美的感覚(?)に脱力したまま、二人は考古学博物館を更に奥に歩き出しました。

   30番代後半の部屋は青銅像が展示されていましたが、ここからは40番代の胸像の部屋に入ります。
   一階の部屋は47番で終わり。そして二階は閉鎖中なのであともう数部屋で全部見終わったことになります。


   胸像の部屋群に入ると、最初は哲学者や音楽家や誰だか判らない女性の胸像などがずらっと並んでいました。


   管:「う――ん。特になんとかの神様とか言うのはおらんのか…。」


   あっ、勿論ここの「胸像」はあの奥まった部屋の謎胸像とは違い、本当にバストアップだけです。(笑)
   更に奥に進むと、今度はむくつけきヒゲのおっさん(酷)や
   スポック博士と同じ前髪をしたローマ皇帝(さらに酷)の胸像が続きます。


   海:「ううむ、やっぱり胸像は大きくないから、今までの像に比べると迫力に欠けてちょっと寂しいな。」


   時計を見ながら、徐々にスピードアップ。(笑)
   43番の部屋にそのまま突入して管理人がだ――――っとその部屋を駆け抜けようとしたその時でした。


   海:「…ほたる君、あれを見ろ……!」


   海里君の指す方向を見ると……








こ、これは・・・!









   な、何と言う美男子………!


   管:「はうあっ……!何だコレ!?
   海:「…なんかこれだけすっげぇカッコ良くないか?」


   むくつけきおっさんどもの胸像の中に、まさに奇蹟とも言うべきこの美しさ…!
   皆様も暫しじっくりご鑑賞ください。(笑)








ダメだ、かっこよすぎる!

左から







どっからみても美男子v

右から








   あんまりにもこの殿方がかっちょいいので、英語の解説板を読むのにも力が入ります。もう、かぶりつき。(笑)


   解説に拠ると、彼の名は「アンティヌス」
   2世紀初頭の人で、ビティニア(ビーテュニアとも。今のトルコ北東部・黒海のあたり)のご出身だそうです。
   そして、時のローマ皇帝・ハドリアヌス(五賢帝の一人)の………「お気に入り」(favorite)だったと。(笑)


   海:「『お気に入り』って一体……。」
   管:「ううむ…。」


   更に解説を読むと、彼は西暦130年10月にナイル川で溺死したそうですが、
   その報を聞いた皇帝はいたく哀しんで数日眠れなかったとか。
   物凄い寵愛ぶりですなぁ…。



   ちなみにこの像自体は、1887年にパトラスで発見されたもの。


    管:「発見した人にはノーベル賞をあげちゃうね!」


   …それにしても、アンティヌス、完璧なカッコよさ…!

   ためつ眇めつ、色んな角度からねちっこく写真を撮り続ける二人に、
   監視のお姉さんも「コイツら何やってんだ…。」とさぞ驚きだったでしょう。(笑)
   両替商が閉まるかも、とさっきまで急いでいたのもすっかり忘れ、43番の部屋の一角でずっとアンティヌスにかぶりつきです。
   濃すぎず、淡すぎず。微妙なバランスの顔。いや、本当に良い仕事してます。(笑)








恋はギリシャ生ま〜れ♪



   
管:「気持ちわかるぜ、皇帝……!」(爆笑)



   思わず見詰め合う二人…。(違)

   勿論、管理人の脳内では、思いっきり「恋はギリシャ生ま〜れ、き〜みは神話〜のう〜ま〜れ、美術館をぬ〜けだしたのぉぉぉ〜〜♪」「太陽・神様・少年」が再びフルボリュームで鳴り響いていました。(笑)



   「諸死!」を連呼しながら撮影を終えた後、
   二人は禿るほど後ろ髪を引かれる気持ちで43番の部屋を後にしました。(涙)いやもう、丸禿です。


   ぷちまとめ:43番の部屋の「アンティヌス像」は絶対に見物!(力説)一人だけ放つオーラが違います。




   さて、47番まで全部見終えて、また元の入場口まで戻って来ました。
   後は地下一階のミュージアムショップへ直行!
   一体何があるのかな……?


   地下一階に降りると、いきなり視界に「スニオン・クーロス」が飛び込んで来ました。
   …あれ?なんでコレが此処に…?


   よ―く見ると、売り物でした。
   レプリカは実物大なので、店内に入りきらず店の入り口に置いてあったようです。(笑)
   そして店に入ろうとした瞬間、忘れる筈も無いアンティヌス(笑)と目が合いました。

   管:「アンティ!」

   管理人、勝手に略してます。…ちなみに「アンディ」だったら「劉徳華」です。(笑)
   しかし、コレも売り物なのか…!
   アンティヌスのレプリカは本物よりちょっと作りが甘い感じでしたが、それでも一家に一個は欲しい。
   一体いくらだったのか値段が書いてありませんでした。

   しかし、コレが売り物として存在すると言う事は、彼が衆人の目を引く存在である何よりの証拠です。
   (レプリカは十種類くらいしか無かったので)
   …きっと我々以外にも彼の前で釘付けになった人がいる筈…。(笑)
   アンティヌスに恋してしまった貴女、是非博物館土産に彼をどうぞv



   さて、ショップの中自体は、意外に広々として物もあまりありません。(笑)
   レプリカが殆ど外の通路にあるので、中は書籍類や小物ばかり。
   ここで博物館のパンフレットと言うか目録を購入したかったのですが、置いてあるのはちょっと違う本。


   管:「……んんん?」


   よ――く見ると、何故かスニオン岬のパンフレットが置いてありました。(笑)
   不思議に思いながらも、早速購入。6ユーロ也。
   …50Pとかなり薄っぺらいくせに他のパンフと同じ値段なのが微妙でしたが、
   スニオン岬で何も買う事が出来なかったので取りあえず買っておかないと。

   …後日、レポを書く際にこちらのパンフはかなり大活躍でした。文句言ってすみません。(汗)



   さて、ショップも大体制覇したので、二人はクロークで荷物を受け取って外に出ました。
   大急ぎで回ったのですが、それでも二時間強はたっぷり掛かります。
   皆様も時間には余裕を持ってお出かけ下さい。(特にアンティヌス像前。笑)








      <Euro,Euro,Euro!>



別窓にしたほうが良いのか・・?

「国立考古学博物館」からアクロポリスの麓までこれから南下します。





   外に出て、庭園のような通路を歩き、元のパティシオン通りに戻ってきました。
   時刻は丁度1時を過ぎたばかりです。
   銀行の営業時間を考慮して、両替に急がねばなりません。
   とにかく、来た道を戻ってオモニア広場に出て、昨日下見しておいたエルムー通り「American Express」まで
   行こうという事になりました。


   パティシオン通りをオモニア方面に歩き出してすぐ、道端にちょっとかわったスタンドを発見。
   普通のスタンド同様、水やお菓子なども売っているのですが、考古学博物館の側とあってか博物館のパンフや
   小さなレプリカも売っていました。
   博物館のショップでは目録を買う事ができなかったので、早速パンフを購入しました。
   英語版のパンフ(約180P、フルカラー)、8ユーロ也。

   このパンフはかなり沢山の収蔵品が載っていますし、きちんと見取り図や部屋番号も記載されているのでオススメです。
   パラパラめくって見ると、アンティヌス発見!(笑)


   海:「この角度もかっこいいな、おい…!」
   管:「諸死ィ!諸死ィ!」←ジョ〇ョですか、アナタ(笑)


   海里君と二人、まだまだアンティヌス萌え。
   帰国してもしばらく二人で彼について情報をやりとりしていたので、かなりのイカレ具合と申せましょう。(笑)
   更にこのパンフで判ったのですが、我々が三日目にクノッソスの謎売店で大騒ぎしていた「壺リア」殿は、
   どうやら「アキレウス」だったようです。
   ……ブラピよりも壺リア殿の方が男前だと思ったのは管理人だけでしょうか…。(コラ)



   さて、パンフばかり見ながら歩くうち(あぶないのでマネしないでください。車に跳ねられます。笑)、
   ホテルのあるオモニア広場まで戻って来ました。
   一番判りやすい道を、と言うことで、スタディウ通りを歩いてエルムー通りに入る事にしました。

   …本当は「アティナス通り」にある「現代のアゴラ」(アゴラは「市場」の意)にもちょっと立ち寄ってみたかったのですが、
   よーく考えると市場に行って肉の塊を買ってもどうしようもないですよね。(笑)
   それはともかく、果物なども量り売りで売っているらしいので、お時間のある方は是非行ってみてください。
   (そして感想をお聞かせください。笑)


   途中、「ZOLOTAS」の前を通ったので海里君とウィンドウ越しに覗いてみました。
   「ZOLOTAS」はギリシャの古美術品を模したアクセサリーを取り扱っている高級装飾店。
   かの海商王オナシスの夫人もご愛用だったとか…
   ………で、結論。


   管:「高ぇぇぇぇ……!」(爆笑)


   金製品なのもあるんですが、もっのすっごく小さなアクセでも軽く500ユーロ以上はします。(1ユーロ=135円)
   所持金の3分の1に匹敵するような物体がまさか買える筈も無く。(笑)
   店内に入る以前のところで撤退いたしました。(笑)

   良いんです、我々にはリーズナブルな銀製品で。



   さて、クラスモーノス広場を過ぎ、シンタグマ広場まで辿り着きました。
   ここで西に曲がってエルムー通りに入ります。
   昨日も来たこの通りですが、昨晩とは打って変わって今日は賑っています。
   (火曜日なので、きちんと夜まで店は営業しています)


   さぁ、昨日チェックしておいた「American Express」に参りましょう。

   ちょっと奥まったドアを開いて中に入ります。
   おお、今日は勿論営業しています。
   どうやら、夕刻以降もしばらく営業しているようです。ホッ。


   二人とも、鞄や携行品ベルトからT/Cを取り出して換金してもらうために並びました。
   他にも何人か人が並んでおり、皆それぞれの所持金やT/Cを換金しているようです。
   勿論、日本人の姿は我々だけ。(笑)


   まず、海里君が換金をしました。
   残りのT/C全部をユーロに換金し、ついでに40ポンドほどあった外貨も殆どユーロにしてしまいました。


   海:「イギリスになんか用事は無ぇ……!」


   この時の海里君の顔、北斗の〇みたいで怖かったです。(笑)


   さて、管理人も続いて手持ちのT/Cを半分(400ユーロ)換金しました。
   …しかし、ここで悲しき事態発生!


   海里君のT/Cは「American Express」発行なので手数料無料で換金できましたが、
   管理人が三井〇友で作ったT/Cはなんと「トーマス・〇ック」発行だったので手数料を2%も取られてしまいました。(涙)
   ぐぬぅ、400ユーロ換金して392ユーロしか残らないのですよ…!くっ!
   あまりに悔しかったので、管理人も手持ちのポンドを20ほどユーロにしました。(笑)


   しかも、管理人のT/Cは他社発行だったため、窓口のおじさんが「トーマス〇ック」に購入確認の電話を入れているではないですか。
   この時、発行元(この場合は「三井〇友」)の名称を聞かれるらしく、おじさんが「どこで買ったの、コレ?」と電話片手に聞くので
   管理人が「ミ・ツ・イ・ス・ミ・〇・モ!」と答えると、たどたどしく「ミ…ツゥイ、スミトォモ?」
   電話に向って返すのが端で非常におかしかったです。(笑)
   おじさん、お手数おかけしました。
   …これだったら手数料取られても文句は言えないか。(笑)


   よく、銀行で換金した場合にはこちらが確認しないと行員がお金をちょろまかしたりすることがあるそうなんですが(「地球〜」より)、
   こちらのおじさんは非常に丁寧で正確です。
   きちんと換金レートや手数料などのレシートもくれますし。
   銀行や郵便局でもT/C換金の際にはやはり2%前後の手数料は取られるようですので、こちらの両替はオススメです。
   でも、T/Cは絶対「American Express」で作って行ってくださいね!(笑)


   ぷちまとめ:T/C換金はエルムー通りの「American Express」で。くれぐれも「American Express」で作るのを忘れないで下さい。


   さて、換金も無事に済ませ、後は使い放題の大散財です。(違)
   エルムー通りで大金を持っていると、ついついブティックに入ってみたくなるのが人情ってものでしょうか。(笑)


   昨日、ウィンドウだけ見た「Folli Follie」に入ってみました。
   50ユーロくらいの手ごろなピアスとか、120ユーロのギリシャ国旗入りモデルの時計などがあったのですが、取り敢えず先送り。(笑)
   でも、帰国した後で「国旗モデル」の時計はものすごく欲しくなったので、やっぱり買っておけば良かったです。
   バンドも水色で可愛かったんですよ、これが…!


   次に、ミトロポレオス大聖堂広場との合流地点にある「ホンドス・センター」と言う化粧品のディスカウントストアに入ってみました。
   探していたのは勿論(笑)シャネルのヴェルニの47番「Desert Rose」。
   …でもやっぱりありませんでした。アメリカに行かないと無いか…。(涙)

   しかし、ここで日用生活雑貨(トリートメントとかクリームなど)のコーナーを覗いていて面白いものを発見!


   管:「海里君、ホラ、『ハーバルエッ〇ンスシャンプー』があるぞ!」
   海:「おお!ロンドンにもあったが、ギリシャにも…!」
   管:「…ねぇ、やっぱりギリシャでもやってんのかなぁ、『Yes,Yes,Yes!』ってアレ。」
   海:「…明日、蟹さんにでも聞いてみるか。」


   結局何も買う事無く、そのまま店を出てミトロポレオス大聖堂の広場に出ました。
   今日は時間がたっぷりあるので、後は買い物がてら観光スポットとネタスポットを回リつくすつもりです。(笑)


   取り敢えず、聖堂広場からちょっと東を経由してアクロポリスの麓まで行く事に決めました。

   早速広場をちょっと南東に進み、小さな路地(アポロノス通り)を東に進みます。
   じつはこの通り、小さなホテルが沢山あるのですが、その中に「アフロディーテ」というホテルがあるらしいのです!(笑)
   …通りの名前も名前ですが、ホテルもみんな凄いネーミング…。(笑)
   ホテルをばっちりカメラに収めてまきりん様のお土産にしようと思っていたのですが……結局見付からず。(涙)
   どうやら、小さすぎて通り越してしまった模様です。
   …すみません、まきりん様。次回はきっとフォーカスします…!

   ちなみに、このあたりは他にも「ヘルメス」や「アトス」「パン」などのホテルがあります。
   泊まるも良し、フォーカスするも良し。お楽しみの方法は様々ですよ。(笑)



   さて、次に我々が向ったのは、今回の旅行で大変お世話になっている「マリソルツアーズ」の事務所。
   ヴリス通りと言う、昨日のスニオン行きバス停のあった「フィレリノン通り」を3本ほど西へ入った小さな通りに
   「マリソル」の事務所が構えられています。
   旅程中に寄ると、耳寄り情報や帰りの飛行機情報など、ためになる情報を沢山教えてくれる上、
   オリーブオイルや石鹸、海綿などのお土産品を手ごろな価格で分けていただけます。
   管理人、ちょっと気になる質問もあったので寄ってみる事にしました。


   「マリソル」の事務所はビルの4Fらしいんですが…通りを歩いてもなかなか見当たりません。
   ↑上向いて歩いちゃダメですよ、管理人。(笑)
   …よぉっく見ると、歩道に「マリソルツアーズ 4F」と日本語の看板が出ていました。(笑)

   さあ、早速上がってみましょう。
   エレベーターがあったので乗ろうとしたのですが………コレ、どうやって乗るの?
   「上」ボタンを押してエレベーターが来るのを待っていたのですが、ドアは開かないし、
   結局どうやって乗るのかさっぱりわかりませんでした。(笑)
   仕方ないので横の階段で4Fまで上がります。


   階段を上がったところで小さなドアを開けると、中はもうマリソルの事務所でした。
   若い女性の方が沢山います。
   我々がおずおずと中に入ると、「どうぞ――!」と招き入れてくださいました。ホッ。


   事務所は二部屋で、奥の部屋で早速お土産品を見せていただきました。

   天然の海綿(5.5ユーロ)と、オリーブオイル石鹸10個(10個以上まとめ買いすると安くなります)、高級オリーブオイル石鹸5個、
   そしてマリソル一押しの「ライニ(Laini)」というオリーブオイルを一本買うことにしました。
   「高級オリーブオイル石鹸」は管理人が3年前から使っているもので、日本では一個800円で売っているのですが……
   ……一個2.2ユーロ。
   …安い。いかに自分がボられているかちょっと実感してしまいました。
   管理人と海里君の買い物リストを見ながら、若い女性社員の方が数を数えていると、
   もう一つの部屋からおじさんがひょっと顔を出しました。


   おじさん:「えっと、高級石鹸が幾つだったっけ?」
   女性:「5つです。」


   腰の低そうなおじさん、なんだか女性社員に顎で使われているような感じだったのですが、
   実はこの方が社長さんだそうです。(笑)
   …意外!


   この時買って帰ったオリーブオイル「ライニ」ですが、おじさん(社長)によると「世界3大オリーブオイルのひとつで、
   クレタの小さな村で作っているんだよ。村人が自分用に持って帰った余りをこうやってちょっとだけ流通させているんだって。
   日本へはウチを経由して年に数百本だけ輸出してるんだけど、結構すぐ売り切れるみたい。
   今年のがこの間出荷したばっかりだよ。」との事。
   何だか聞いているだけでおいしそうだったので、一本だけ買ってみました。一本11ユーロ也。(500ml)

   他のオイルに比べてちょっと高いかな、と思ったのですが、日本に帰って早速開けてみるとびっくりするほどおいしい!
   綺麗なグリーン。加熱用に使うのは勿体無いほどの風味の良さ。そしてしつこくない。
   「ああ〜、一本だけじゃなくてもっと買えば良かった!!重くなってもいいからさ!」と残念に思っていたら、
   先ほどの社長さんの言葉が頭を掠めたのでネットで検索したところ、マリソルが出荷したと思しきお店が見付かりました。(笑)
   興味のある方は覗いてください。  こちら  です。
   回し者ではありませんが、本当にコレは極上のオイルです。
   オススメは、パンにつけて食べるだけ。バターなんて目じゃありませんぜ。(笑)
   管理人も、早速12本纏め買いしました。
   1本1500円ですので、向こうで買った値段と同じです。良心的!


   さて、買うだけ買った管理人、おじさんにちょっと気になる事を聞いてみました。


   管:「あの……、B・Aは重量制限はうるさいですか?」
   おじさん:「…どうしたんですか?」
   管:「…いや、なんだか絶対重量がオーバーしてそうな気がするんですが…。」


   最初の「準備編」でも書かせていただきましたが、ヨーロッパ線の重量制限は20kg
   しかし、おじさんによると、アリタリアあたりは40kgだろうが50kgだろうがお構い無しだとか。
   …と言うより、もともと「荷物を重量計に載せて計測する」という概念自体が無いんだそうです。流石は蟹の国…。(笑)
   ただ、アリタリアは手荷物の個数には煩いそうですよ。

   意外に荷物について煩いのがエールフランス。
   20kgをちょっとでもオーバーしたら即行チャージを取るそうです。ひえ――。

   で、肝心のB・Aですが、


   おじさん:「B・Aは、そんなに煩くないよ。30kgまでならまず大丈夫!
         若い女の子の買い物ならまず30kgは行かないよ。」


   管理人の背を滝の如く滴り落ちる汗。(笑)


   管:「……いや、その……、その30kgを軽く越える自信があるんですが…。」(笑)


   …だって、これから買う物って…アテナ像数体とか、その他像数体とか、殺人的にブ厚い本とか、
   少なくとも「若い女性」にあるまじき物ばかり…!(爆笑)
   管理人、明日の出国を考えるとちょっと暗い気分に苛まれました。(笑)


   色々お世話になり、小荷物片手にマリソルを後にしました。
   事務所を出たところまでおじさんが送ってくださったのですが、その時おじさんに「エレベーターで上がってきました?」と聞かれました。
   「いいえ?乗り方がわからなくて、結局階段で上がったんですよ。」と管理人が言うと、ホテルの名前を聞かれました。
   「アセンズ・アクロポール」だと答えると「ああ、なるほどね」とおじさん納得顔。
   おじさんによると、「アセンズ・アクロポール」は改装したてだからエレベーターが日本と同じだけど、
   他の古い建物は大概旧式のエレベーターなんだそうです。
   早速、その旧式の乗り方を教えてもらいました。


   まず、各フロアのドアは「引き戸」です。日本だと自動観音開きですよね。
   …で、人間が乗るエレベーターの箱には扉がありません。
   日本で乗ると、箱にもフロアにも両方観音開きの自動ドアが付いていて、二つが同時に開きますよね。
   箱側にドアが無いと言う事は、正面を向いて乗っていると目の前を各フロアのドアや壁が通り過ぎて行きます。
   う――ん、なんかヘン。(笑)
   で、目的のフロアに辿り着いたら、フロアのドアを押して開けます。


   …我々が最初にここのエレベーターに乗る事が出来なかったのは、まずドアを「引いて開ける」ことが出来なかったからでした。(笑)
   引かなきゃ一生開いてくれませんわな。(笑)
   …また一つ、賢くなりました。


   他の国でもコレは充分使える情報(多分)ですので、皆様も海外にお出かけの時は是非!