ROUND 7.0  七日目(1)  アテネ終日フリー







9月21日(火)



      <アイオリアと朝食を>


   朝8時半、快適に目覚める。

   実質ギリシャ滞在最終日となる今日は、後悔を残さぬ様、アテネを探検し尽くすぞー!


   …そして元気な一日は、しっかりした朝食から。(笑)
   化粧と着替えを済ませ、二日目にもたらふく食ったレストランホールに向かいました。


   今朝のメニューの品揃えも、先日とほぼ同じでした。
   いつも通り(笑)ソーセージやチョコクレープ、蜂蜜掛けヨーグルトをてんこ盛りにして空いたテーブルに席を取って食べ始めました。

   うーん、やはりここのヨーグルトは絶品!
   明日は出発が早いため、またしてもまともな朝食にはありつけません。(涙)
   はぁ、もったいない……。
   心残りの無い様に、食べまくっておくか…。(笑)


   そして今朝は、二人ともかなり挙動不審です。
   なぜかと言えば、我々のテーブルのすぐ側に………アイオリアが居る!!(爆笑)



   二日目の朝食時にも少し記述いたしましたが、こちらのホテルにはアイオリア以外の何者にも見えない殿方
   勤務なさっています。
   初めて見たその時にも二人して相当驚いたのですが、今朝超至近距離とまじまじと見ると、
   半分寝ぼけていた目が一気に醒めました。(笑)


   アイオリア氏は給仕係を勤めていらっしゃるご様子で、丸い銀盆を携えたまま客の様子をしきりと伺っています。
   その出で立ちが、また……。
   短い金の巻き毛、黒のスラックスに白いワイシャツ、蝶ネクタイを締めたその上から
   更に黒いベスト
を身につけています。
   …ぐはっ!なんと言うハマり具合…!
   そして彼が振り返ると………スラックスからシャツのしっぽがはみ出ている!!(爆笑)
   ………この人、本物だ!本物のアイオリアだよ!(笑)


   本人に悟られないよう、海里君と大爆笑。
   背丈こそ少し足りなかったものの、顔、髪、そしてどこか間の抜けたところが間違いなくアイオリア氏でした。
   …またね、服の上からでも体つきが素晴らしかったんですよ。
   こちらの殿方に、今回の旅行における「キング・オブ・アイオリア賞」を授けましょう!(笑)



   我々がひとしきりアイオリア萌えしていると、ウェイトレスのお姉さんが例によって「コーヒーは如何ですか?」と訊ねて来ました。
   前回と同じく「紅茶でお願いします」と告げると、お姉さんにこやかに頷きました。
   …いやー、ほんとにこちらのホテルの従業員さんはポーターさん、フロント、給仕さんと好感度・大です。
   …どっかのデープ・スペク○ーもどきと交換して欲しいものですわ。(笑)

   海里君としみじみサービス談義していると、向こうからこちらに誰か近付いてくる気配がしました。
   我々の頼んだ紅茶のポットを携えた………アイオリアがこっちに来るー!(嬉)


   アイオリア氏は「どうぞ」と恭しくポットをテーブルにサーブするとくるりと優雅に身を翻し、
   相変わらずしっぽが出たまま脇に控えました。


   管:「…うわぁ、アイオリアに給仕してもらっちゃったよ…!…諸死!(笑)」


   紅茶のお味が5割増おいしく感じられたのは申すまでも無いでしょう。(笑)
   食事中ずっと、ご本人には気付かれないようにふたりで舞い上がりっぱなしでした。

   生のアイオリアを御覧になりたいという方、是非「アセンズ・アクロポール」のレストランまで。(笑)
   車田先生が「星矢」で最初のギリシャ人としてアイオリアを描いた理由がなんとなく理解できました。(カシオスは除く)
   本当にアイオリアっぽい方が山盛りです、ギリシャ…。








      <国立考古学博物館でお宝を探せ!>


別窓にしたほうが良いのか・・?

「国立考古学博物館」は北のほうです。





   さて、妙にアイオリア萌えを発動した朝食を終え、二人は早速外へと繰り出しました。

   ギリシャ最終日の今日は、アテネ市内をじっくり見て回る予定です。
   …なんと言っても、二日目の半日観光以来、ようやくアテネをゆっくり見る事が出来ると思ったら、もう滞在最終日。(涙)
   どこに行ってもぎっちりしたスケジュールでしたが、今日もご多分に漏れません。
   取り敢えず、最初は「国立考古学博物館」から回る事にしました。


   「国立考古学博物館」は、その名の通りギリシャ国内の出土物が大規模に収められている国内最大規模の博物館。
   クレタ島の出土品を除く殆どの遺物が展示されているのですから、まさにギリシャまるかじりな建物です。(笑)
   先史時代からミケーネ文明、キクラデス文明、ローマ期に至るまでバリエーション豊かな展示物を堪能できます。
   ここ数年(2〜3年)は改装工事のためなんとずっと休館だったそうですが、オリンピックの前に営業を再開したそうです。
   ラッキー!
   皆様に取っては馴染みの深いアレも、そしてアレも…此処にはギリシャの歴史の全てが揃っています。
   さぁ、レッツゴー!



   ホテルのあるオモニア広場をぐるっと回り、博物館のあるパティシオン通り(エオルー通りを北に延長した通り)に渡ります。
   オモニア広場は結構広いので、ぐるっと回るといくつもの信号を渡らねばなりません。

   ある信号の手前まで来た時……おおお、信号の向こう側にギリシャ正教の聖職者の方が!
   黒いお召しものにあの学者風の帽子を被っているお姿はまさに敬虔さそのもの…。(「星矢」1巻参照)

   と思ったら、聖職者の方、思いっきり赤信号を無視して歩道を渡っています。(笑)
   いいのか、それで!(笑)


   海里君と二人で思いっきりツッコミを入れながら、聖職者の方が横を通り過ぎるのを見送りました。



   さて、オモニア広場のパティシオン通り側には、マクドナルドやウェンディーズと言った御馴染みのファストフードショップが
   鈴なりになっているのであまり迷う事も無くパティシオン通りに入りました。
   後はまっすぐ北に歩くだけです。


   …とは言ったものの、この真っ直ぐが結構長かったです。(笑)400mくらいなのに。
   さて、ようやく考古学博物館に到着!







美術館をぬ〜けだした〜のぉ♪

「国立考古学博物館」。下の人間と比較してください。でっかい!








   白亜の巨大な柱(イオニア式)の建物はまさに壮観!マンモスピラーってこんな感じでしょうか?(笑)


   朝11時前くらいでしたが、庭園のようになっている建物前の広場には、散歩をしている人が沢山いました。
   勿論、我々のように博物館に来た人間も沢山います。
   白い階段を昇って、いざ中へ入りましょう!



   中のホールは天井が途轍もなく高く、イラクリオンの考古学博物館とはやはり規模が全く違いました。
   広々としたホールの左側に券売所がありますので、まずは入場券を購入します。
   お一人様6ユーロ也。


   チケットを買ったらすぐ中に入れてもらえるのかと思ったら、
   入り口のお姉さんに「手荷物を預けてくるように」と言われました。
   すぐ背中側にクロークがあり、此処で手荷物を預けなければなりません。
   財布と「地球〜」、そしてデジカメだけを持って管理人と海里君は再び入り口のお姉さんにチケットを切ってもらい、
   中に入りました。



   「国立考古学博物館」は、二階建て。(地下一階もあり)
   一階には47の部屋があり、1から順に時代を追って先史〜ローマ期の遺物が展示されています。
   イラクリオンの考古学博物館と異なり、一階の展示室は「田」の形に部屋が並んでいるので、
   時代どおりに物を見ていこうとすると、行ったり戻ったりしなくとはならない箇所が沢山あります。
   旅行ガイドなどを片手にしっかり位置を把握して進みましょう。


   二階にはキクラデス文明の一部の遺物と、ギリシャ各地から出土した陶器がコレクションされているいらしいのですが、
   残念なことにこちらのフロアはまだ改装中で入る事ができませんでした。
   地下一階にはミュージアムショップがあります。此処は入り口脇の階段から降りるようですが、最後に寄る事にしましょう。

   ちなみに、こちらの博物館の営業時間は夏季は8:00〜19:00です。
   冬期は8:00〜15:30なので注意しましょう。
   また、月曜日は開く時間がちょっと遅い(夏季12:30、冬期10:30)なのでこれも注意。



   さて、早速入り口を入った先史時代の遺物からアタック開始です。
   ここから先は写真たっぷりでお伝えいたします。
   (どれがどの部屋番号だったかもう記憶がちょっと怪しいので、写真の順番で解釈させていただきます。
   だいたい合っている筈ですが・・・。)



   まず最初の先史時代のお部屋群。
   こちらでまず我々をお出迎えしてくれたのは、「アガメムノンのマスク」でした。







キンキラキン

アガメムノン(仮)








   ミケーネで発掘されたこちらのマスクは、最近「トロイ」にも出てきたあのアガメムノンのマスクではないかと言われていました。
   …が、結局どうやら違うらしいんですが、まぁ夢があって良いお話です。(笑)


   早速フォーカスしようと思ったのですが、博物館内はフラッシュ厳禁
   カメラをノーフラッシュの「博物館モード」にすると、今度は超ブレブレで何が何だか判別不能です。(笑)
   こりゃイカン。夜景も撮れないし、どうにかならんのか管理人のデジカメ…。
   結局、またもや海里君のデジカメにお世話になりました。


   この部屋には他にも黄金のマスクや黄金で象ったものが沢山並んでいました。
   その中で管理人の目を引き付けたのが、コレ。







めでたい!(笑)

友達の輪!(違)



   ……なんじゃ、こりゃぁ――!(笑)
   ヘンだ、ヘンですよ。
   微妙になんだか楽しそうな感じ。←作った人間の脳内が。(笑)
   ぽこぽこと出た所がなんとなくチャクラっぽいですね。



   さて、更にズンズン進みます。
   次に管理人の目に留まったのは、こちらのタコの壺でした。(笑)







う〜ま〜い〜ぞ〜!

タコの壺






   世界でもタコを好んで食べるのは日本人とギリシャ人+αくらいらしいので、なんだか親しみが湧きますねぇ。
   …それにしてもうまそうだなぁ。


   管:「今晩はやっぱりタコのグリルにするか…。」
   海:「…だな。」


   日本に帰ってきたら丁度この壺がTV番組で取り上げられており(「生き物地〇紀行」)、
   それによるとギリシャではタコはフクロウと並んで知恵の象徴なのだとか。
   頭が大きいからでしょうね。(擬態すると言う性質も関係しているでしょう。)
   脳みそがそこには入っていないのが微妙に物悲しいのですが…。(笑)



   ここいらあたりの部屋には、脇に別の部屋が設えられていました。

   そっちに入ってみると、小さな絵やキクラデス文明の像(「ダブル・フルート」など)が置いてありました。
   こちらの部屋だけ、写真を撮ろうとしたら怒られたので、脇の部屋は撮影禁止なのかもしれません。
   どのみち、どの部屋にも監視員が一人は居る割に何の表示も出ていないので、
   「怒られたら、この部屋は撮影禁止なんだな。」ぐらいの気持ちで居た方が良いようです。



   さて、お次。今度は時代が少々下って、アルカイック期のお部屋群です。
   こちらの目玉は、時代順に数多く並ぶ「クーロス像」
   「クーロス」はギリシャ語で「美青年」を表します。
   「美少年」じゃなく「美青年」なのがまた我々のツボです。(笑)
   時代を追ってちょとづつ理想の「美青年像」が変遷してゆくのを目の当たりにできます。


   数多のクーロス像の中で我々が狙って(?)いたのが、
   昨日行ったスニオン岬から発掘されたと言うその名も「スニオン・クーロス」。(まんま)
   しかも二体!二体なんですよ奥さん!(笑)
   「スニオン岬から発掘された二つの美青年像」と聞いて、あの双子を思い浮かべない筈がありません。(爆笑)
   紀元前600年位のものだそうです。うーん、紀元前600年の双子か、ふふふ…。(笑)


   第8室で、遂に発見!「スニオン・クーロス」













ボコった美青年!

「スニオン・クーロス」その@








   ふむぅ、なかなか良い体つきですな…。(コラ)
   髪の毛がロン毛なのが更に双子ちっくです。


   …んん?それにしても、もう一体は何処だ…?


   キョロキョロと周りを見渡すと何体かのクーロス像があるのですが、
   説明書き(英語)をみると皆「スニオン・クーロス」とは違うようです。…はて?


   …よ――く見ると、端の方にいました、もう一体。
   コレです。













ボコられた美青年

「スニオン・クーロス」そのA・・・。







   …首が無ぇ!(爆笑)


   海:「…あれだな。向こうのがサガで、こっちがサガにボコられたカノンだな。…流石はスニオン岬。」


   …上手い!海里君ザブトン10枚!(笑)


   ぷちまとめ:第8室には、「サガにボコられたカノン」と、「弟をボコったサガ」の2体の「スニオン・クーロス」が居る。
        かなり見物。(笑)


   ちなみに、こちらの「スニオン・クーロス」はかなり有名なので人が結構集まっています。




   さて、時間が無いのでドンドン進みましょう。
   今度は更に時代が下り、墓碑レリーフの部屋が何個か続きます。
   このあたりから我々に馴染みの深い作品が山盛りです。


   まずはこちら。







ヘルメス

「ヘルメス像」






   「ヘルメス像」です。
   それにしても、さっきのクーロスもそうでしたが、やっぱり腕って折れやすいんでしょうね。ちょっと残念。


   そしてお次。







こっちは動きやすそうな服。

「アルテミス像」







   皆さん御馴染み、「アルテミス像」です。
   ちなみに、同じ神様でも何体か像があることが多いので、見比べると楽しいですよ。
   そして、「〇〇神ではないかと言われているが、判らない」というものも結構混じっています。
   中には「ポセイドンとも、ゼウスとも言われている」なんて言う結構いい加減なものまで。(笑)


   さぁ、どんどん行きましょう。・・・早くしないと両替所が閉まっちゃうかもしれないし・・・。(笑)←それか!

   お次は、ほほぅ、この方です。







随一の美しさ・・・?

「アフロディーテ像」







   「アフロディーテ像」です。色っぽいですねぇ。(違)


   更に次。







バンダナは赤で決まりです






   こちらの像は「21番」の部屋にでーんと置いてありました。
   (「21番」の部屋は、「田」の字に並んだ部屋の中でも中心に位置するホールみたいになっています。
    目印の部屋みたいな感じでしょうか。)
   この像は「ディアドゥメノスの像」とも言われているそうですが、詳細は不明とのこと。
   …それより、何よりも彼の頭が気になって仕方ないですよ、我々としては…。(笑)


   海:「このあんちゃん、バンダナしてるね。…ロス兄さんだよな!」(笑)


   この瞬間から、彼は「ロス兄さん」になりました。(笑)
   他にもこの部屋付近には、ニケ像もあったのですが、上半身が木っ端微塵になっていてかなり寂しいものでした。(涙)


   さて、更に進むと今度は彫刻と青銅像が入り混じった部屋になってきました。(彫像の方がまだ多いわけですが。)

   少し奥に進むと、「28番」の部屋でセイレーン像を発見!







デッド・エンド・シンフォニー

「セイレーン像」結構無事。此処に立つと妙な音楽が…!?







   「セイレーン像」も他にいくつか見かけたのですが、ものの見事にぼっきり折れたもの
   欠損したものが多かったので、無事なものがあって一安心しました。



   そしてこの部屋の一番の目玉はこちらです。







見覚えあり!




   …ほーら、皆さん覚えがあるでしょう?コレ。(笑)
   「アンティキセラの青年像」という名前が付いてはいるのですが、
   我々はコレを「聖闘士モデル」と勝手に名付けてまじまじと鑑賞。(笑)







尻ィ!

・・・尻!








   更に後ろから撮っちゃうあたりが尻好き管理人の変態さをよーく表しています。(コラ)
   …いや、でもイイ体してますぜ、彼!




   さて、更にドンドン奥へ行くと、今度は「30番」の部屋でまた見覚えのあるものに出くわしました。







珍島物語(違)

メロス島産







   「ポセイドン像」と言われているこちらの像、もしかすると「ゼウス像」の可能性もあるんだそうです。
   ゼウスとポセイドンじゃ随分違うような気もしますが、どっちにしろ「星矢」ファンには馴染み深い神様です。(笑)
   この像の前で管理人が「海の神様〜、カムサハムニダ〜♪」と歌ったかどうかは秘密です。←どのみち国が違うよ!(笑)


   「ポセイドン像」はこの部屋の真中にでーんと置いてあったのですが、もう一つ、壁側に有名な作品が一つ。







コメディアン二人組

デロス出土







   「アフロディーテとパーン(パン)像」です。
   しつこく言い寄って来るパーンをサンダルでしばこうとするアフロディーテが何ともユーモラスですね。
   …きっと現代の日本に生まれていたらこの二人、良いお笑いコンビになっていたかもしれません。
   スリッパツッコミ炸裂です。(笑)



   ここで一旦道は行き止まり。
   来た道を元に戻ってロス兄さんのいる「21番」の部屋まで帰ります。
   そしてそこから今度はもう一方に広がる道へ歩いて行くと「34番」以降の部屋に出られます。

   ここから先はしばらく青銅像の部屋が続きます。
   ざ―――っと見ながらすっ飛ばし(涙)、40番代の胸像の部屋に出ようとしたその時、
   奥まった袋小路スペースがあることに気が付きました。
   誰もいないちょっと暗い部屋です。
   どきどきしながら二人で入ってみました。


   部屋の中には、ロングタイプの胸像が置いてありました。
   胸から上の像のその下に、なが―――い直方体をくっつけて立てて置けるようにしたものです。
   ずらっと10数体分の胸像が並んでいました。

   …いや、それ自体は良いんです。
   しかし、よく見ると、コレは一体………。







どうせいっちゅーねん、コレ!

下のほうに注目。(汗)






   何故そこだけきっちり作る!?(爆笑)


   海:「判らねぇよ、ギリシャ人・・・!」(爆笑)


   …痛恨の一撃でした。(笑)
   はぁぁ…本当に良くわかんないや、ギリシャ人…。


   微妙に脱力したまま、二人は更に奥へと通路を進んで行きます。