ROUND 6.3  六日目(2)  サントリーニ島→アテネ







9月20日(月)









アテネ市内

アテネ市内。今は「スタディウ通り」の「シンタグマ広場」付近にいます。





      <蟹座聖衣着用でバスに乗ろう!(違)>


   そのままスタディウ通りを真っ直ぐ進むと、道は緩いS字カーブを描きます。
   カーブを曲がりきったところが、アテネ市内の中心地・シンタグマ広場です。

   先ほどのオモニア広場同様、此処も二つの地下鉄ラインが交わる交通の要所。
   広場から東側を見ると、やはり通りをブチ抜いて国会議事堂が見えました。

   ちなみに、「シンタグマ」(Συνταγμα)とはギリシャ語で「憲法」の意です。
   ムニュっと緩くカーブした道を歩きながら、取り敢えず明日寄る予定の「エルムー通り」の位置をチェック。
   エルムー通りとスタディウ通りの交差ポイントあたりには、「Everest」というカフェ(赤いパラソルが目印です。
   安くておいしいサンドが有名。)やマクドナルドがあるのできっとすぐ判るでしょう。



   シンタグマ広場を通り過ぎたあたりから、通りはちょっと狭くなり「フィレリノン通り」という名前に変わります。
   何でなのでしょうか?(笑)

   さて、「地〇の歩き方」の地図によると、このフィレリノン通りアマリアス大通りとぶつかるポイントよりもかなり手前
   (だいたい中間地点くらい?)にスニオン岬行きのバスの停留所があるはずです。(参照)
   よっし、見落とさないように慎重に進みましょう。

   ……………アレ?

   あっと言う間にアマリアス大通り付近まで来てしまいました。



   と、目の前に確かにバス停が!緑色に塗られた、待合椅子も置いてある列記とした屋根付きのバス停です。
   …よし、これだな!?
   海里君と二人、バスの行き先表示一覧を穴が開くほど見ました。

   ……?…無い、無いよ「スニオン岬行き」…。


   管:「ねえ、ここしかバス停なかったよねぇ??」
   海:「うん。それらしいのは無かったよね。」


   …なんでだ?何でスニオン岬行きだけ無いの?(汗)

   我々が微妙に焦っていると、近くに立っていたおじさんが英語で話し掛けてきました。


   おじさん:「どうしたの?」
   管:「あの、スニオン岬に行きたいのですが。」


   しかし、おじさんは首を傾げるばかり。
   「Cape Sounio(n)」と言う単語が、何故か通じません。
   もしかして、何か別の呼び方でもあるのでしょうか?
   取り敢えず、ガイドグックを開いて地図と写真、英語の表記を見せると、おじさんは笑って
   「ああ、それならここで大丈夫だよ。」と言いました。
   …ホッ、良かった。


   おじさんが「どこから来たの?」と言うので我々が「日本だ。」と答えると、
   「おお!昔、造船会社に勤めていたから佐世保と門司に住んでたことがあるんだよ。」とびっくり発言。
   …門司か!?ギリシャに来て「モジン」(門司区の人たちを馬鹿にした北九州市ローカルネタ)の話なのか!?(笑)
   管理人が「私は門司の近くの出身ですよ。」と言うと、何やら話に花が咲きました。
   ほんとに世間は狭いですね…。(笑)




   さて、ここでギリシャのバスの乗り方講座〜〜!(ドラ〇もんのマネ)

   ギリシャでは、バス停に立っているだけではバスは停まってくれません。
   乗りたいバスを後方に発見したら、バス停で「乗るぞ」と運転手に合図をしなければいけません。
   タクシーを停めるようなものだと思ってください。
   …しかし、ここで重要な注意事項が!


   「タクシーを停める要領で」と言われて、普通に手を挙げようとした貴女、厳重注意です。

   実は、ギリシャでは「相手に向って掌を広げて見せる」のは相手を侮辱するジェスチャーに相当します。
   つまり、「パー」を向こうに見せてはイカンのです。(何故かは管理人も知りません。笑)
   普通に日本でやるつもりでこのジェスチャーをすると、バスはおろか、タクシーからも乗車拒否をされてしまう事が
   あるのだそうです。

   …え?じゃあ、どうすればいいのかですって?
   意外に簡単です。人差し指を立てて手を上前方に伸ばせば良いのです。
   …そう、皆さんもよぉっくご存知のあの方のアレですよ。













   ………デスマスク氏の「積尸気冥界波」。(爆笑)










   …そうか、アレは実は車を停めるための技だったんですね。(笑)
   いや、もしかすると、彼はギリシャに来てこの技を会得したのかも…。(コラ)
   取り敢えず、ギリシャ人はみんな冥界波マスターであることは間違い無いようです。


   ぷちまとめ: バスを停めるには「積尸気冥界波」
   …さあみなさん、恥ずかしがらずに!(笑)




   さて、さっきのおじさんがバスに乗って行ってしまって暫く時間を過ぎても、バスは一向に来ません。
   我々が待っているバス停に停まるのは、黄色のバス(電線で繋がったトロリーバス。市内を走っている)や
   ブルーバス(アテネ近郊行き)ばかり。
   ガイドブックによると、スニオン行きのバスはオレンジに白のライン入り。(長距離なので観光バスタイプ)
   でも、ちっともそれらしい影は掠めもしません。
   う――ん。本当にここで良いのかな…?(汗)


   …と思ったら、管理人の視界の端にオレンジの物体が!
   かなり向こうの車線を、一台のバスが通過しようとしています。


   管:「海里君、あれっ!!」
   海:「…ああっ!」


   …確かに、「ΣΟΥΝΙΟ」と言う表示があったのです、前面に。
   うわぁぁ―――っ、乗り損ねた!(汗)



   …しかし、冷静に考えるとこれはかなり奇妙です。

   このバス停に停まるバスなら、少なくともかなり人が待っているこの停留所付近の車線を走るはずです。
   しかし、さっきのバスは一番中央線よりの車線を走って行ってしまいました。これは一体!?


   海:「…やっぱり、この停留所じゃないよ、絶対…!」


   最早確信を持って、我々はバス停を離れてシンタグマ広場の方向に歩き出しました。
   …それにしても、さっきのおじさん…!


   地図によると、乗り場の対岸にはオリンピック航空の店舗があるはずです。
   暫く歩くうちに、対岸にオリンピック航空らしき店を発見。
   …でも、こっち側にバス停なんて無いよ…?


   そのまままっすぐ戻ると、今度はシンタグマ広場のバス停(さっきの緑のバス停の一つ前)まで戻ってきてしまいました。
   …勿論、ここでもスニオン行きはありません。
   おかしい、本当にスニオン行きのバスはあるのか…?(汗)


   その時、海里君が叫びました。


   海:「ほたる君、アレ…!」


   海里君の指差す先には…!










が――ん!





   な、なにィ………!(車田的表現)
   こ、これがバス停だと言うのか………!?(汗)


   …バス停でした。(笑)
   どうやら、スニオン行きのバスのみ、こんな超判りくい物体をバス停にしているようです。
   どう判りにくいかって、だってコレですよ…。










見えんって、絶対!さりげなく海里君付き。(笑)





   ……ただのオレンジ色のポールやんけ!!(怒)

   しかも、この表示の部分は、か――な――り高い所に設置してあるので、
   アニメのカシオスくらいの身長がないと絶対に視界に入りません
   (少なくとも、管理人の身長でもまったく視界に入りませんでした。笑)
   …またね、ご丁寧に周囲に普通のバス停がありますし…。(涙)


   後でガイドを穴が開くほど見てみると、「〇球の〜」のすみっこに「スニオン岬行きのバス停は、細いポールの先にオレンジの看板がついていて目立たない」と小さく記述が!
   …ぐぬぅ、ぬかったわ…!(再びラオウ)
   いや、しかしコレ、どちらかと言うと「オレンジのポールの先に白い看板」じゃないでしょうか、ダイヤモン〇社さん…。


   せめてバス停の写真でも載せてくれていたら、もっと迷う人間が減るのは間違いありません。
   しかし、ここで文句を言ってもしょうがないので、これからスニオンに行く皆様のために
   バス停の写真を周りの景色つきで載せておきます。
   いいですね、オレンジのポールですよ!!上向いて歩いてくださいね!(笑)




   さて、バス停が見付かったのは嬉しいのですが、さっき13:40のバスを逃してしまったので一時間待ちです。(正確には45分待ち)
   なんだか遠い目になりそうなのを抑えながら、取り敢えず近くのスタンドを覗いてみました。
   スタンドにはスニオン行きのバスの時刻表が貼ってあったのですが、見てみると「各時30分」
   蟹さんが教えてくれた「各時40分」ってのはじゃあ一体…?

   この謎は後で解けました。
   …ちょっと遅れて来るんです。(笑)
   ギリシャ時間にしてあったんですね、蟹さんの時刻…!


   思い出したようにギロピタを取り出して、二人でかぶりつきました。
   冷めかかっていたギロピタですが、これが……旨い!!


   管:「……かなり旨いな、コレ。」
   海:「…うん。明日もこれでいいよ。こんなに安くて旨いものが仙台にもあれば、毎日昼に食べるぞ、わし……。」


   ヨーグルトソースが美味!
   ピタパンもこれまた美味しい!これで2.5ユーロとは、まったく驚きです。
   空腹も手伝って、すぐにペロリと平らげてしまいました。(笑)



   さて、ちょっと遅い昼食も取り終えて、ポールの前の緑の柵の付近でぼんやり待つ事暫し、
   遥か向こうからオレンジ色の物体が近付いてきました。
   …あれを我々が忘れようか!(反語。笑)


   …と、どこから沸いてきたのか、周りからわらわらと人が寄ってきました。
   えええ、どこに居たの、この人達??


   我々がバスに向って積尸気冥界波を打つ(違)よりも早く、彼らがバスを停めてドンドン乗り込んでゆきます。
   …いか――ん、このままでは席に座れない…!(汗)


   一番前にいた筈の我々でしたが、結局バスに乗ったのは一番最後なのでした。(涙)
   そして……座席が無い!



   バスはオモニア広場よりもっと北の考古学博物館あたりが始発なので、
   フィレリノン通りに着いた時にはもう人が殆ど満杯状態。
   かろうじて残っていた座席にも、さっきの人たちが全部座ってしまいました。


   …あああ、スニオン岬までの2時間半、ずっと立ち通しか……。(涙)

   前側の通路に立ったまま、バスは南へ向けて走りだしました。





   スニオン岬は、アテネの南75km前後に位置します。

   バスは、陸側経由と海側経由の二通り。(料金は同じです。)
   日本人を始めとする観光客には海側のコースの方が人気が高いため、
   蟹さんも海側経由バスの通るフィレリノン通りのバス停を勧めてくれたわけです。
   (考古学博物館付近の始発バス停では両方のバスが出ているので、乗り間違えないようにとのありがたいご配慮。)
   また、場合によっては途中で乗り換えを余儀なくされることもあるそうですが、我々は運良くそのままで大丈夫でした。


   ある程度乗る人間が落ち着くと、切符売りのお兄ちゃんが巡回を始めました。
   今回のお兄ちゃんはジャン・レノを25歳くらいにしたような感じで、サングラスがちょっと怖め。(笑)
   アテネ→スニオン岬のバス代、4.3ユーロ也。
   …なんだか年々ちょっとづつ上がっているようですが、観光バスに2時間半も乗ってこのお値段なら、文句無し!
   いやぁ、ホントにギリシャは交通費安いですね。




   さて、バスはアテネ郊外に出るとすぐ海沿いの道路へ。
   おお、こりゃ綺麗だな!


   …でも、ずっと同じ景色だとちょっと眠いよ…。
   しかし、我々は立っているので、眠るのは不可能です。
   更に言えば、管理人は乗り物の中ではよっぽどのことが無いと眠れないのでますますムリです。(笑)
   …しかし、海里君はマジで立ったまま眠りそう。(笑)
   我々は丁度一番前の席の通路に立っていたので、一段低くなった運転手席へと降りる階段に海里君を座らせました。
   切符売りのお兄ちゃんももう運転手の隣の助手席(?)に戻っていたので、迷惑にもならなさそうです。
   もし、前から人が降りそうな時には管理人が起こせばいいわけですし。(笑)
   …あっ、もう寝てるよ、海里君…。


   暫くすると、停まったバス停で一番前の席の人が一人降りました。
   海里君を通路から一旦立たせて降りる人を通すと、また階段に座り込んで眠ってしまいました。
   う――ん、よっぽど眠いんだなぁ。こりゃここはこのままにしておいて管理人が席に座っておくか…。


   管理人、空いた席(右側の通路側・一番前)に座りました。
   隣に黒髪のちょっとカッチョイイお兄ちゃんが座っていたのですが、取り敢えず視線は大きな前方の窓へ。



   パレオ・ファリオ港を過ぎたあたりで、少しづつ人が降り始めました。
   丁度、立つ人がいなくなるくらいでしょうか。
   通路を挟んで管理人の逆側の人も降りたので、海里君が座りました。
   …あ――あ、本当に良く寝てるなぁ…。(笑)




   アテネ付近の海岸線は、白砂青松そのものな光景。(笑)
   松が多いのは何故なんでしょう?
   クレタでもクノッソス遺跡に植えてありました。
   アクロポリスにもあったなぁ、そう言えば…。
   微妙に日本ちっくな景色に、ちょっと眠くなりながらもずっと前を向いていました。


   アテネを出て1時間近く経った頃でしょうか、バスは一度内陸側に入りました。
   陸側に何度もカーブを曲がり、郊外の居住地のような町に入りました。
   ここでも、ぱらぱらと人が降りて行きます。
   逆に、ここから乗ってくる人も少々。


   …そして、あるカーブを曲がるときに、管理人の目に赤い看板が飛び込んで来たのです。
   そこにギリシャ語で書いてあったのは……「ΑΙΟΛΟΣ」(アイオロス)!


   …管理人、一瞬目を疑いました。(笑)
   ほんの一瞬でしたが、あれは絶対にアイオロスです!


   振り返った時、看板はもう遥か後方。
   ああ、カメラに収めるべきだった!残念!
   仕方無い、帰りに狙うか…。(笑)


   一体、何の看板だったのかさっぱり判りませんでしたが、是非皆様もカメラを構えてバスに乗ってください!
   …あ、後、バスの中は飲食禁止のようです。コーラを飲もうとしたら、海里君の隣に座っていたおじさんに止められました。


   内陸の町の最後の方で、隣に座っていたお兄ちゃんが降りてゆきました。
   この町の住人なのでしょうか?
   ちょっとだけ凭れ掛かって寝てしまいました。ごめんなさい!(笑)


   お兄ちゃんの座っていた席に移り、海里君を隣に座らせてまたバスは海側に抜けました。
   …もうすぐで1時間半。あとどのくらい掛かるんだろう、と管理人が腕時計(しかも、ご丁寧にフォリフォリだったりして)を
   チラリと見遣ると、切符売りのお兄さんが「あと45分くらいだよ。」と話し掛けて来ました。
   お兄さんも暇なのか、「どこから来たの?」と再び話し掛けてきたので二人は少々話をしました。
   ついでに、と思って、海里君が帰りのバスの時間と乗る場所をチェック。
   お兄さんの話によると、帰りのバスは18:30と20:00とのこと。

   向こうに着くのが17:00くらいなので、本当は20:00のバスに乗りたいところですが、
   それに乗るとアテネに帰って来るのが夜の10時を越えてしまいます。
   仕方が無いので、1時間半でスニオン岬を探検する他にありません。
   う――む、返す返すも13:40のバスに乗っていたら・・・!(涙)








荒涼

スニオン岬への道。結構荒涼とした感じでした。バスの最前席!







   話し込んでいるうちに、だんだん到着時間が近付いてきます。
   あるカーブを曲がったところで、視界の先に何かが見えて来ました。


   お兄さん:「あれがポセイドン神殿だよ。」


   …おおお!なんだか小さいけど、白いものが見える、見えるよ兄さん!(嬉)

   海里君と二人、手を取り合って喜びました。
   …すみません、切符売りのお兄さん。
   我々、訊いたら溜息が出るようなどうしようもない理由で此処まで来たんです。(爆笑)
   でも、この年頃の日本人でスニオンに行く女性陣は、十中八九同じ理由で来ていると思うのは管理人だけでしょうか?(笑)