ROUND 5.6 五日目(3) サントリーニ島終日フリー
9月19日(日)
「カマリビーチ」から「フィラタウン」へ戻ってきました。これから再び「イア」へ夕日を見に向います。
<イアへ急げ!女神の聖闘士達!>
さて、フルスピードで着替えを済ませ、二人は16:45のバスに飛び乗りました。
ここからフィラまで20分。それからホテルへ一旦帰って頭を洗い、18:30のイア行きバスに乗らなければ日没に間に合いません。
…せめて頭を洗う事の出来る設備がビーチにあればもっと時間に余裕も生まれたのかもしれませんが、
文句を言ったところで海水でベタベタの身体と砂だらけの髪が綺麗になる訳でもないので、
兎に角一刻も早くホテルに帰ってシャワーを浴びたい!脳内の欲求はただそれだけです。(笑)
…ところが、得てしてこう言うときに限って、妙な事態が発生するものです。
我々はバスの一番後ろの席に座っていたのですが、一つ前の席に座っていたお兄ちゃん二人連れの片割れが
海里君をいたく御気に召した模様。
我々に色々話し掛けて来た挙句、「一緒に写真を撮らせてくれ」とご本人の携帯カメラでパシャパシャと海里君を
フォーカス(違)し始めました。
お互い英語で話していたので推測ですが、多分スペインあたりの殿方ではないでしょうか?(ひょっとするとギリシャ人かも)
巻き毛の黒髪が印象的でした。
バスがフィラタウンのターミナルに着いたのが五時前後。
バスを降りると、先ほどのスペイン人っぽい殿方が海里君に何か言いたげな素振りでしたが、
今はとにかく急いでホテルに帰ってエーゲ海まみれの頭を洗わなくてはいけません。
取り敢えずバスを降りると一目散にホテルのある南へと猛ダッシュを掛けました。(酷)
自分たちの部屋へ帰り着いた途端、頭を乾かすのに時間の掛かる管理人は先にバスルームへ直行!
すごいスピードでわっしわっし髪を洗いました。(笑)
ええぃ、どうせ院生の時、脱色に次ぐ脱色の挙句、プラチナブロンドになった上から真っ赤や真っ青の原色カラーを
何度も入れまくったアニメ髪だ、今更気遣うキューティクルもへったくれも無ぇ!(笑)
風呂から上がると、頭を大まかにだけ乾かして化粧をし、聖闘士候補生の如き服からノースリーブとスカートに着替えました。
海里君に「急がないとイア行きのバスが出ちまうぞー!」とせかされ、二人であわただしく部屋を後にしました。
バスターミナルに戻って来ると、時刻は18:30、これからイアに行けば絶妙のタイミングで葡萄色の夕暮れが見られます
折り良く、18:35のバスに乗り込み、席をゲットしました。
昨日と同じ手続きなので、勝手が分かって安心ですね。
それにしても、日没直前の時間にも拘わらず、バスは満員でした。
イアにホテルを取っていて、今フィラから帰る人もいるにはいるのでしょうが、
やはりみんな世界で一番美しい夕暮れを見に行くためだけに足を延ばしているのでしょう。
…その気持ち、よおっく判りますぜ。(笑)
うっすらと日が暮れ行くオレンジ色のフィラタウンをバスは北上します。
昨日と同じ景色も、時間が異なるとまるで違う表情を見せます。
ジャキが登ってきそうな瓦礫の山を探検した事も、エーゲ海を泳いだ疲れも忘れ、
二人はただぼんやりと窓の外の茜色の光景を眺めていました。
七時前、イアのバス停に到着。
先に帰りのバスの時間をチェックして、近道をしながら昨日日没後に見つけた風車脇の小さな広場へと進みました。
昨日の経験から推測するに、どうやら道が込むのは南側の賑やかな通り沿いから西に延びる地帯の模様。
逆に、北側の道から北西にかけての一帯は、人の姿も少なく、且つ風車や灰色のドームなどの建物もあってムード満点!
ようっし、今宵はしっとりと楽しむぞ!(笑)
イアにて、ススキ発見!
日没直前の時間でしたが、狙いを付けていた広場はやはり殆ど人の姿はありませんでした。
管理人と海里君、特等席に腰を下ろして日の沈む瞬間を待ちました。
…ああ、明日はサントリーニを離れるのか…。
クレタでも残念に思ったけど、此処ではその思いは尚更の事…。
ヨーロッパの人たち同様に、一週間くらいもっとゆっくりこの島には滞在したかったな…。
管理人が何となく寂しげな顔をしていると、隣の海里君も残念そうに呟きました。
「此処、年に一回くらいはゆっくりしに来たいね…。」
管理人、心の底からその言葉に頷きました。
しんみりしている間にも、日はだんだんと沈んで行きます。
「世界で一番美しい夕暮れ・2005年9月19日」
その瞬間だけは逃すまいと、メディアの容量を使いきる勢いで二人、バンバン写真を撮りまくったのでした。
案の定、海里君のデジカメはここで電池切れ寸前(専用電池使用)。
高くても良いから後で電池を買ってやる、と海里君はやる気満々でした。(笑)
葡萄色に染まる教会のドーム
日が沈んだ後、南の賑やかな通りへと、暮れ残る葡萄色の黄昏の一時をかみしめながらゆっくりと移動して行きました。
そして、夜景を撮りつつ移動していたある瞬間、管理人はあっと声を上げました。
…そう、イアの夕日をバックに、ある写真を撮ろうと思っていたのに、すっかり忘れていたのです。
…ぐぬぅ、「世界で一番美しい夕暮れ」と共にやりたかったのに、
柄にもなくマドロスしているうちに日が落ちきって暮れてしまったわ!(ラオウ)
…しかし、ここは是非やっておかねば…!
………やりました。
管: 「イアで、"やあぁぁ〜〜〜!"」(笑)
…ダチョウ倶楽部なんて古すぎて解らんよ、管理人…!(笑)
…いや、多くは語ってはいけません。(笑)…いけませんったら。
宵のイア@
一番南西の角に、一軒のアトリエを発見。
イアの夕暮れを中心に、様々なサイズの油絵を売っていました。
記念に小さな油絵を二人で一枚づつ購入!
一枚10ユーロ也。
昨日買った写真のポスターも良いけど、一枚づつ色合いも異なる油絵も良いですね。
その後、バスの時間が来るまで、通り沿いのお店を覗きました。
半地下状のフィルム屋で、海里君のデジカメ用電池を発見!
日本の量販店で買った値段の倍でしたが、「これで明日は心おきなくスニオンの写真が撮れるぜ!」と
海里君はどこか晴れ晴れとした表情でした。(笑)
宵のイアA
20:20、イアに別れを告げ、バスに乗ってフィラタウンへ。
今日は2時間も居られませんでしたが、昨日よりも綺麗な夕日を見られて、二人とも大満足!
…さらば、黄昏と昼、二つの美しい顔を持つイア。また来る日まで…!
宵のイアB。夜もまた美しい・・・!
<やっぱり食いまくりの夕食と、ささやかな事件再び>
フィラの街も今宵で見納め・・・。
とっぷり暮れた断崖沿いの道を走ること20分、バスはフィラタウンに戻って来ました。
ターミナルの前のバス停で降りて、エリスルー・スタヴルー通りのお土産屋を物色しつつ、夕飯を取ることに。
悔いの無いよう、島の形のミニワインなどを購入。(笑)
…さあ、夕飯です。
実は、カマリからの帰り道、今日の夕食について管理人は海里君にある提案をしていました。
管:「昼にギリシャ飯食ったことだし、夜は中華でどうだ!?」
海:「いいねー!大賛成。」
…ここまで来て、やっと恋しくなったのが中華かよ!(爆笑)
もはや日本人らしさの欠片も無く、二人が目指したのは、エリスルー・スタヴルー通りのかなり北側に面した
「中華大飯店」と言う店。
こちらのお店は、ガイドブックにも出ていて、且つ蟹さんがオススメと仰っていたのです。
ガイドで見る限り、お値段もリーズナブル。
さぁ、早速入ってみましょう。(笑)
店は、通りに面した階段を上がった2Fにあります。
きらびやかな飾りの下がる真っ赤な提灯を目にして、なんだか落ち着いてしまう我々。
なんだかんだ言っても、やっぱり東アジアの人間なんですねぇ。(笑)
さて、座ったとところで早速メニューとにらめっこ。
我々、勿論中国人ではないのですが(当たり前だ)、一応中国語選択且つ中国語検定所持者ですのでメニューくらいは判ります。
例えば、「酢豚」は「古老肉」といった具合です。
ちなみに、「古老肉」の隣には「sour and sweet pork with black beans」と言うマンマな英語が
書いてありますので、別に問題は無いでしょう。(笑)
我々が頼んだのは、オードブルセットとチャーハン、豆腐と青菜の炒め煮。
なんだか非常にあっさりしているのは海里君の胃腸加減と相談した結果です。(笑)
管理人も今日は休肝日としゃれこみ、飲み物は緑茶(…だったよな、海里君!?)にしておきました。
店内は、半分アジア人客、半分白人さんと言った風情。
店員さんは多分中国人の方でしょうか、結構着古した白Tシャツのむくつけきお兄ちゃんやかわいいお姉ちゃんでした。
待つこと暫し、緑茶と食器がやってきました。
…おおお、箸だ箸!!(笑)
白人さんたちは皆一様にフォークやナイフを使っているようです。
フフフ、まだまだだな…!(笑)
オードブルセットは、春巻きや焼売などの一般的な点心盛りでした。
う――ん、久々に食べるとやっぱり美味!
チャーハンは、何故か日本人が使うご飯茶碗に盛られて出てきました。
…八角皿じゃないんだね…。なんか違和感が…。(笑)
これも、海里君とシェア。
うっま――い!このパラっとしたご飯が最高!
…ギリシャまで来て、微塵も白米が恋しくならない管理人は果たして何人…?(笑)
豆腐と青菜の炒め煮は、塩あんかけのあっさり味で非常にグー!
でも、食べていて二人ともあることに気が付いていたのです。
海:「…なぁ、この炒め煮の『青菜』って、やっぱこのさりげなく入ってるブロッコリーかな?」
管:「…言うな。(笑)例え『ここは青梗菜の出番です』と思っても、決して口にしてはイカンのだ。」
海:「やっぱ、ギリシャじゃ青梗菜は手に入らんか…。」
あっ、でも豆腐はきちんと豆腐でした。
沖縄の島豆腐のようなちょっと固めの豆腐でしたが、美味!
今までのお店では最初にチャージのパンが出てきましたが(カフェは除く)、そう言えば此処では何にも出てきません。
…と思ったら、最後になんと西瓜が出てきました。これがチャージです。
二日目にアテネで食べているとは言え、西瓜が出てくるとは思いもしませんでした。(笑)
果物屋でちょっと長い西瓜(所謂「water melon」)を見かけたので、ギリシャでもきっと栽培しているのでしょうね。
我々の食事が終盤に差し掛かった頃、管理人の隣の席に日本人のご夫妻が掛けました。
どうやら30代くらいと思しきご夫妻、我々の会話が日本語なのでちょっと気に掛かっているご様子でした。
後で判ったのですが、彼らも「エル・グレコ」にお泊りだったようです。
本日の夕食:チャーハン3ユーロ、オードブルセット11ユーロ、豆腐と青菜の炒め煮6.9ユーロ、
緑茶1ポット・・・計22.5ユーロ(チャージ込み、二人分)
さて、夕食も取り終えたので、あとはエリスルー・スタヴルー通りを物色しながらホテルへの帰途に着きます。
もう10時だと言うのに、まだまだお店はどこも絶好調営業中。本当に感心します。
昨日から密かに気になっていた「ギリシャのケーキ屋のケーキは甘いのか?」と言う疑問を払拭するために、
管理人はお菓子屋さんに寄ってみました。
通り沿いにある「illy」というケーキ屋で、チョコケーキの上に苺の乗ったものをチョイス!3ユーロ也。
「illy」は、ギリシャ国内には沢山あるケーキ屋で、日本で言えば「不〇家」みたいなものでしょうか。
「中で食べる?」と聞かれたので、「持ち帰りで」と答えると包んでくれました。
(「take out」は通じないので、「to go」と答えると良いですよ。)
どうやら、中で食べても持って帰っても、お値段は同じようです。
そして、ギリシャでは大概ケーキは1ピース3ユーロと見ました。(笑)
25マルティウ通りとのささくれデルタ地帯の手前で、小さなスーパーを発見!
ミネラルウォーターが1.5リットルで0.5ユーロだったので一本購入。安っ!
他にも、洗剤やチーズなどの日用品をのんびり眺めて歩きました。
中には10リットル缶入りオリーブオイルなんて言う殺人的物体も。(笑)
いや、ちょっと欲しかったんですけど、実は。(笑)←どうやって運ぶ気だ?背負うのか!?
「ウィ〇ー・イン」のような搾り出しアルミパッケージに入った蜂蜜や、一昨日スタンドで買って食べた
チョコレートのアーモンド入り版を発見したのでちょっとだけ買い込みました。
ケーキの小箱とスーパーの袋をぶら下げて、管理人と海里君はホテルへと郊外の道を歩きます。
郊外はちょっと薄暗く、街灯の灯りもまばら。
たまに通りすぎる車の灯りとホテルの灯りを頼りに、この島最後の夜をゆっくりと味わいながら一歩一歩歩きます。
管:「はぁぁ……。なんかヤダなぁ、この島から離れるの。」
海:「うん。やっぱ、もっとゆっくりしたいなぁ、ここ…。」
管理人、溜息を零しました。
管:「あ――あ、もうイヤになるねぇ…………うおっ!!」
次の瞬間、管理人は歩道にぽっかり開いた穴に見事に嵌っておりました。(爆笑)
隣にいた管理人が急に視界から消えたので、海里君がびっくりして立ち止まります。
管:「…あいたたたた…!!」(涙)
海:「お―い、大丈夫か?」
管:「…お、おう、なんとか。イテテ…。」
すぐ後ろを歩いていた白人のご夫妻が、目の前で突如こけた管理人に驚いて駆けつけてきました。
旦那さん:「Are you OK?」
管:「Yes. Thank you so.」
…うわ―――、恥ずかしい!マヌケすぎだ、管理人!!(笑)
そう言えば、こけたのなんて何年ぶりでしょうか…。(ちょっと遠い目をして現実から逃げる管理人。笑)
…恥ずかしさでいたたまれなくなって歩き出してみたものの、この時なんだかイヤな感じがしていました。
両足の膝を地面にしたたかぶつけていたのですが、左足が確実に出血している気がします。
スカートの裾が膝に触れるたび、何ともいえない痛みが走ります。
暗くて見えなけど、これは痛い…、ってか白いスカートが汚れてしまう…!(汗)
ホテルに辿り付いて部屋で見てみると、やはり左足から出血しています。
大した量ではなかったのが幸いでしたが、「独り『小鳥』気分」を味わってしまいました。(笑)←折れてないけど
空気が乾燥しているので、傷はすぐに乾いてしまいました。
スカートにはちょっとだけ血が付いていましたが、洗っても乾かす時間がないのでそのままにしておくことに。
…それにしても、聖闘士修行中に負傷ならともかく、よりにもよってこんなマヌケな文脈で傷を負ってしまうとは…!(笑)
さて、傷口に気をつけながら入浴を終えた管理人、勿論買って来たケーキを食べるのも忘れません。
買ってきたケーキは、真っ黒なチョコスポンジの上にチョコが塗ってあるクドイ組み合わせ。(笑)
上に乗っかっているイチゴをパク。…おいし――い!
ケーキも、言われているほど甘ったるい味ではありませんでした。
日本のケーキと殆ど変わりません。是非お試し下さい。
さて、明日は朝の便でアテネに帰ります。
今日よりはちょっと早い時間に起きなければいけないので、二人ともさっさと寝ることにしました。
(とは言え、この時点で日付を越えているのですが。笑)
よおっし、明日はいよいよ憧れの(?)スニオン岬へ突撃だ!
枕の下に枕銭を置いて、管理人はぐっすりと夢の世界へ誘われて行きました。