ROUND 4.0  四日目(1)  クレタ→アテネ経由サントリーニ島







9月18日(土)










クレタ・アテネ・サントリーニの位置関係





      <ギリシャ人の時間感覚>

   朝4:30、やっぱり寝不足状態で起床。(笑)
   …しょうがないんです、迎えが5:30ですから。(涙)



   昨日とは異なり、今日は朝ごはんがレストランのビュッフェではありません。
   昨日、朝発つのが早い旨を伝えると「じゃあ、グランドフロア(日本で言う一階)のカフェバーに簡単な朝食をご用意いたします。」
   との指示が出ていました。


   着替えと化粧をし、荷物の鍵を閉めて二人はフロント横のカフェバーに急ぎました。
   この時、5時前。
   「迎えが5:30だから、5:20くらいまで朝食を食べていても大丈夫そうだね。」と時間配分を設定して、
   カフェバーのお兄さんに「朝食は?」と尋ねると、カウンターを指差して「ああ、そこにあるよ。コーヒーもご自由に」との事。
   カウンターの上には、ケーキ(パウンドケーキみたいなもの)やドーナツなどの軽い菓子パン、
   コーヒーと紅茶(のティーパック)が置いてあり、好きにしろと言う意思満々でした。(笑)


   お皿にパウンドケーキを何切れか取り、お湯を入れて紅茶を作りました。
   …いっただっきま――す!
   うーん、簡単な朝食。(涙)
   でも、チョコ味のパウンドケーキは甘すぎずおいしかったです。


   カフェバーには、他にも同じような境遇(?)の客の影が一組。
   カウンターに居たおにいちゃんと何やら三人で話に興じていました。


   あまりにも簡単な朝食ですが、眠い目を擦って話しながら食べていると結構時間が過ぎるのは早いものです。
   時計を見ると、5:15。まだ時間まで少々ありますが、チェックアウトもしなければならないのでそろそろ部屋に戻ろうよ、
   と席を立ち、フロントを通ると・・・・・・フロントのソファに、迎えのドライバーのおじさんがもう居る!!(驚愕)
   ・・・・誰だ、「ギリシャ人は時間にルーズ」なんて言ったのは!?
   (管理人です。だって、ガイドに書いてあったんですよぉぉ。笑)


   おじさんは、我々を見ると「Ιαπωνας ?(ヤポナス:日本人。…但し、男性を指す)」と訊いて来ました。

   ・・・・・・おじさん、Ιαπωναςちが――――うっ!(笑)
   私たちは「Ιαπωνεζα(ヤポネザ:日本人女性)」だ―――――っ!

   …と、即行ツッコミを入れたかったものの、今のこの現状を考えるとそうも行かず、
   「Sorry,please wait a minit !」と大慌てで部屋へと駆け上がりました。(汗)



   急いでスーツケースをエレベーターに載せ、フロントに降りてくるとおじさんはまだソファでにこやかにゆっくりと待っています。

   「ギリシャ人が時間に構わない」って、もしかすると「時間にルーズ」って意味じゃなくて「ゆっくり待つ」ってことかもしれない…。(驚)
   管理人、ガイドブックの文言を呪いつつもギリシャ人の素晴らしさを垣間見た驚きで一杯でした。
   海里君がチェックアウトを済ませると(今回の旅行は海里君が代表者のため、イン・アウトは海里君の担当)
   おじさんはソファからゆっくり立ち上がり、管理人の荷物を運んでくれました。
   (管理人のスーツケースの方が大きく重いため、毎回運んでもらえました。…ラッキー?)


   二人を乗せたタクシーは、イラクリオンを離れます。
   …さらば、イラクリオン!また来たいぞ!
   時間が時間だけに、街中はまだ閑散としています。
   交差点をいくつも通り過ぎましたが、動いているのは信号機ばかり。




   車は20分ほどでイラクリオン空港に到着。

   本来であれば、英語ガイドさんが飛行機のチェックインを手伝ってくれるはずだったのですが、今回はおじさんが手伝ってくれます。
   おじさんは管理人の荷物を転がしながら、我々が乗る予定の飛行機のカウンターに連れて行ってくれました。
   オリンピック航空の該当カウンターまで来ると、おじさんは何やらカウンターのお姉ちゃんとギリシャ語で会話していましたが、
   その後戻ってきました。
   おじさんの話によると、「このカウンターが7:00発のアテネ行きのカウンターなんで、チェックインしてね。
   案内画面にゲート番号が出たら、その番号のゲートで飛行機に乗ってくれ。」とのこと。
   いつも通りの手続きです。(笑)

   そこまで説明すると、おじさんはにこやかに手を振って去っていきました。
   ありがとう、おじさん!もう「ギリシャ人は時間にルーズ」なんて言わないよ!(笑)


   さて、オリンピック航空のカウンターでチェックインを済ませると、時刻は6時。
   まだ一時間もあります。
   …しかし、朝が早いギリシャ、もう売店は開いていました。
   荷物が軽くなった二人は、早速物色です!(笑)


   一階の売店は軽いお土産が殆どでした。
   蜂蜜や海綿、キーホルダーなどが並んでいます。
   …昨日の蜂蜜屋よりもちょっと値段が高いかな?
   取り敢えず、水だけを買いました。


   …しかし、一階(出発フロア)は人・人・人!
   まだこんな早い時間なのに、一体どこからこんなに沢山の人が沸いてきたのでしょう?
   イラクリオン空港はクレタでも一番大きいので(とは言っても、空港自体はそんなに大きくない)、
   外国からの路線も乗り入れているようです。
   直通でフランクフルト行き、などのようにあちこちの国と繋がっているので人が多いのも頷けます。


   人を避けながらトイレに行くと、椅子に座りそびれた白人さんたちがトイレの出口付近にジベタリアンしていました。
   …汚いよぉぉ!(涙)


   人の多い一階に辟易したので、海里君と二人で二階に上がってみました。
   二階には免税品店がどーんと設えてあり、人もまばら。
   折角の広い店だし、と二人でどんどん入ってみました。


   …結論から言うと、こちらの免税品店がギリシャの空港では一番充実していました。
   エレフテリオスよりも、此処の方が品揃えが良かったです。
   チョコレートなどのお菓子、お酒、オリーブ、石鹸、CD、ブランド物までコーナー分けしておいてあるので便利です。


   ・・・あっ!昨日飲んだ「AMSTEL」が!!
   しかも・・・・・6缶パック(350ml×6)で・・・・・3.3ユーロぉ!?(1ユーロ:135円)
   なんじゃー、このバカみたいに安い値段は!!
   ・・・・・・あああ、もう、やっぱりギリシャで暮らす――!(爆笑)
   管理人、思わず床にしゃがみこんでしまいました。(笑)




   ギリシャの物価の安さに絶望していると、そろそろ飛行機の時間が近付いてきました。
   海里君と急いで階段を降りると、やっぱりVTRにオリンピック航空のアテネ便の搭乗ゲート案内が出ていました。
   慌ててゲートに向います。


   …そして、やっぱりバス輸送でした。(笑)
   本当に好きだな、オリンピック航空!(笑)


   再び幅4mの殺人的サイズのバスに乗り、ちょっと離れた飛行機まで運ばれました。
   今回の飛行機も、結構小型です。
   中に入ると、今度は「A」と「B」は隣でしたが、「C」が無く「D」と「F」が隣になっていました。
   う――む、本当にどんな基準で席番号が振られているのでしょうか?(笑)


   定刻7:00、テイクオフ。
   …やっぱり時間通り運行しています。ギリシャ人偉いよ!(笑)







      <発生する謎言語>

   さて、今日は国内乗り継ぎです。

   今乗っているこの飛行機は、8時にアテネ・エレフテリオス国際空港に着く予定です。
   その後、同じオリンピック航空の別便でアテネ→サントリーニに向います。
   さて、このページ最初の地図を御覧下さい。
   …「クレタからサントリーニって近いじゃないか?」って思いませんか?
   実は近いんです。(笑)


   例年ですと、この時期は「イラクリオン→サントリーニ」行きの飛行機が存在するのだそうですが(蟹さん談)、
   何故か今年に限ってこの設定が無く、我々のようにわざわざアテネまで戻って乗り継ぎになってしまいました。
   …オリンピックのせいでしょうか??未だに謎です。


   放っておくと泳いでクレタからサントリーニに行ってしまいそうな管理人でしたが、
   乗り継ぎの時間が短いのでなんとか納得。(笑)
   …が、短いなりにリスクもあるそうで、このアテネ行きの飛行機の出発や到着が遅れた場合、
   我々はサントリーニ便に乗る事が出来ません。
   どうにか無事に出発してくれと祈っていたので、定刻に出発した瞬間、胸を撫で下ろしました。



   窓の下には、エーゲ海一・巨大な島、クレタ島が見えます。
   今回はイラクリオン周辺しか回る事ができませんでしたが、また他の所も回ってみたいものです。
   さようなら、クレタ、また会う日まで・・・!




   ところで国内線も二度目ともなると、管理人、妙な所が気になり始めます。

   今回辺りから気に掛かり始めたのが、機内放送。
   機内放送は「ギリシャ語」「英語」の順でアナウンスされます。
   変わり目は「Ladies and gentlemen」ですぐに解るのですが、問題はギリシャ語の出だし。
   必ず二回、「Παρακαλω、Παρακαλω」(パラカロー:excuse meやyou're welcomeと言ったカンジの言葉)と繰り返すのです。
   これが結構早くて、聞いているとクセになってマネしてしまいます。(そんなのはお前たちだけだ。)
   「諸死!」に続き、今度は「パラカロー、パラカロー」が口癖に加わりました。
   …口癖は兎も角、結構便利な言葉ですので、是非覚えておいて損は無いはずです。(笑)


   さて、相変らず眼下にはエーゲ海の島が見えたのですが、本当に数が多すぎてどれが何島なんだか解りゃしません。(爆笑)


   離陸後、すぐにベルトサインが消え、行きと同じように飲み物の配布が始まりました。
   管理人はまたオレンジジュースを貰ったのですが、この時「氷は要るか?」と訊かれたのに対して返事を返したところで、
   自分が妙な言語を使っている事に気がつきました。

   「はい」と言っているつもりで管理人が応えたのは「Sì」
   ・・・・これ、一体何語!?(笑)

   海里君にも「何だそれ?」とツッコまれてしまったのですが、一番訳がわからんのは本人です。(笑)



   「Sì」と言えば、イタリア語、スペイン語で「yes」ですが、管理人は勿論そんな言語の勉強をした記憶はまったくありません。(笑)
    …念のため、管理人の外国語脳は次のように構成されています。


       第一外国語:中国語(小学生の頃、既に父親に発音の特訓を受けている)
       第二外国語:英語(普通に論文を読んだり、通訳なしでレクチャーや講演を聞いたり、ちょっとした会話をする程度)
       それ以下:ドイツ語(中学生の頃にちょっとやった)、ギリシャ語(ちょっと齧ったレベル)


   …しかし、このどこにも「イタリア語」や「スペイン語」の要素はゼロ。
   一体、この言語はどこから…?


   旅行中ずっとこの言葉を普通に使い続け、向こうも普通に受け取っていた模様でした。
   そして、最後になって気が付いたのです、この謎言語のからくりに…!


   どうやら、「わかりました」という意味の「I see.」の「see」と、中国語の「はい」に当る「是」(shi。尤も、これは捲舌音ですが)の
   合体技だったようです。


       中国語+英語=スペイン語、またはイタリア語


   …こんな訳の解らん方程式が成立するなんて…!(笑)
   しかし、意外にしつこく「Sì」は帰国まで続いたのでした。
   恐るべし、外国生活…!







      <I love you から始めよう>

   管理人たちを乗せた飛行機は、8時きっちりにアテネ、エレフテリオス・ヴェニゼロス空港に到着。

   乗り換えの時間は一時間なので、ボーディングの案内VTRを見ながら該当便のゲートに急ぎます。



   ところで、サントリーニ島はもう一つ別の呼び名を持っています。
   「サントリーニ」(Santorini)というのは寧ろ対外的な名で、中世にこの地で殉教した「聖・イリニ」氏に由来します。
   従って、ギリシャでは昔からの名である「Thira」の方を使うようです。
   この「Thira」ですが、日本では「ティラ」と読みます。
   …が、ギリシャ語の表記では「Θηρα」なので、管理人は「スィラ」と発音していました。
   (「ティラ」だったらギリシャ語の綴りは「Τηρα」になるはず)
   結局のところ、「ティラ」「スィラ」、両方ありなのでしょうか?今ひとつ釈然としませんでした。
   「ティラ」と言われて「照」を思い出した管理人は山岸涼子ファンです。(笑)



   さて、オリンピック航空・アテネ―サントリーニ便のゲートに到着。
   早速チェックインです。
   乗換えだけなので、チケットを見せてゲートに入るだけです。超ラクですね。(笑)


   …が、ここでトラブル発生!
   今度は、管理人のデジカメがキンコンゲートで引っ掛かってしまいました。
   結局、事なきを得たのですが、一体何だったんでしょうか?(汗)


   さて、時間が無いからと素早くゲートに入ったのは良いのですが、狭い待合室があるだけなので売店すら無し。
   …やることがありません。


   仕方が無いので海里君が鞄から取り出した最終兵器・・・・それは「旅の指差し会話帳・ギリシャ語」

   指差し会話帳は、イラストがいっぱい入った楽しいギリシャ語の本。
   困ったときは、該当文章を相手に見せて自らの意思を伝えることができるスグレモノです。
   …誰ですか、それに指を差す前に英語で喋ればいいだろうと言うのは。(笑)
   …いや、まったくその通りなんですが。(汗)


   暇を持て余した二人、ゲートから出るわけにも行かず、パラパラとそれをめくって遊んでいました。
   …すると、アレに出くわしたのです。


   ギリシャ語で「I love you.」は「Σαγαπω」と言います。
   …え?何て読むのかわからないですって?
   ………「サガポー」です。「サガポー」なんです。(爆笑)
   サガポ…サガ…ポ………サガァァァ!(笑)
   この言葉は非常に重要なので、是非覚えておいてください。


   …しかし、ここの部分のイラスト、男の人が薔薇の花束を持っているのです。
   旅行に来て、こんな場面に出くわす訳が無いよ!(笑)
   …出くわしたら出くわしたで、それは凄いかもしれませんが。



   さて、我々が会話帳に思いっきりツッコミを入れているうちに、搭乗の時間になりました。
   例によってバスに乗せられ、飛行機の下に辿り着いた時、我々は息を飲みました。







しょええ〜〜!

飛行機の機内から






   …ぎょええぇ―――っ!プロペラ機だよ、兄さん!(汗)


   しかも、ものすごく小さい。
   管理人も海里君も、勿論プロペラ機なんぞ乗ったことはございません。
   …あああ――、本当に大丈夫なんだろうか?


   中に入ると、ますます驚きました。
   …これ、何人乗り!?


   …そう、どうみても20人くらいサイズだったのです。
   こんな小さい飛行機、見たこと無いよ…!
   (いや、だからこそプロペラ機なんでしょうが。)


   取り敢えず席につくと、機長(〇直人似)がアテンダントのお姉ちゃんと楽しそうに話をしています。
   …おお――い、本当に大丈夫かな、コレ…。(汗)


   …が、意外にプロペラ機は快適でした。(笑)
   プロペラのすぐ横だったので、ちょっとだけ音がアレでしたが、後は普通です。
   きちんとジュースも出てきますし、ベルトサインもあります。(酷)
   …まさか、人生初のプロペラ体験をギリシャですることになるとは思いませんでしたが。



   機体はやはり30分ほどで降下を始めました。
   視界に、憧れのサントリーニの三日月形が映り始めます…v


   サービスの如く島の周りを一周旋回し、中部にあるサントリーニ空港に着陸しました。

   サントリーニは欧米人のバカンス地。
   そのせいか、着陸の瞬間、バカンス目前の乗客が一斉に「ブラボー!」と拍手喝采!(笑)
   思わず、二人も釣られて盛り上がってしまいました。(笑)


   …とうとう、一度は来てみたかったサントリーニに到着です。