ROUND 3.3  三日目(2)  クレタ島終日フリー







9月17日(金)










大活躍

博物館はホテルのすぐ側です。このあたりの路地は細くて入り組んでいるところが多いです。






      <イラクリオンの考古学博物館>

   クノッソスからのバスがイラクリオンに到着したのが三時過ぎ。
   丁度ホテルの前であるエレフテリオス広場の前に停車したので、モロシニの噴水から歩いて戻らずに済みました。


   取り敢えず増えた荷物を一旦置くためにホテルに戻る事にしました。
   部屋で一息ついてクノッソスのパンフやお土産を鞄から出そうとすると、なにやら管理人のベッドの上に一通の封筒が。

   開けてみると、マリソルからの連絡で、明日の朝、迎えに来るはずだった英語ガイドさんが急に来られなくなったとの事。
   しかし、英語ドライバーが飛行機のチェックインはお手伝いしますのでご安心ください、とも書いてありました。
   …まあ、チェックインするだけですし、別にガイドは要らないので気に掛かると言うわけでもありませんでした。
   寧ろ、ガイド料10ユーロが返って来ることの方が嬉しかったりして。(笑)
   わーい、これで豪遊できるぞ!←無理




   ゆっくりしているうちに四時を回りそうだったので、急いでホテル側の考古学博物館に向かいました。

   …概して、瓦礫の国・ギリシャには発掘物が山のようにあるわけですが、国内全域の重要な出土品は
   アテネの国立考古学博物館に一手に収蔵されています。
   ですが此処クレタ島だけは、その歴史的背景もあり、島内出土の品々はアテネではなく、
   イラクリオンの考古学博物館に収蔵されているのだそうです。
   ミノア文明の出土品に関しては他では見る事が出来ない模様。
   クノッソスも見たばかりですし、ここは回らないと勿体ないですよね。



   考古学博物館の入り口はエレフテリオス広場側にあり、チケット売場の向こうにはコンクリの広場が続いています。
   入場料、お一人様6ユーロ也。
   但し、クノッソスのチケットとペアになったお得なセットもあります。こちらは10ユーロ也。
   広場の左手の入り口から中に入ると、いくつもの展示室が奥に向かって延びており、逆Uの字に進むと
   丁度入り口に戻って来る構造になっていました。


   実は、ギリシャの博物館はフラッシュをたかない限り撮影可の所が殆どです。(一部、撮影不可のホールもありますので要注意)
   …が、ギリシャ国内で規模の大きな博物館に入ったのは初めてだった管理人、
   どうして良いか解り兼ねて此処では結局写真を撮らずじまいでした。
   (また、ご丁寧にもそのあたりの表記が見あたらなかったのです。)


   部屋は20ちょっとの数があり、一階には壺やインゴットなどの大き目の展示物が山盛り。
   銅のインゴットはかなり沢山置いてありました。
   インゴットは一様に双斧(「ダブルアックス」とも呼ばれ、ミノア文明におけるシンボル)のような面白い形をしていました。
   酸化して真っ黒でしたが。


   各部屋の入ったところには、そこがどの時期の展示物を置いているのかギリシャ語・英語・フランス語で縦三列に
   表記してあったのですが、 この順番が部屋によってばらばらでしたので、
   気がつくとフランス語の表示を英語だと思って見たりしている自分に気が付いて驚きました。
   (綴りが似ている単語だと、ナチュラルに英語に見えますよ、ホントに)





   一階の展示物を見終えて、二階に上がってみました。
   二階には、先ほどのクノッソスで見たレプリカ絵画の現物が沢山飾られています。ローマ期までの彫刻もあります。

   ・・・・・・おおお、これは「牛追いの君」!(笑)

   海里君と二人、本物の「牛跳び」の前でうっとりしてしまいました。
   いや、勿論ずっと「諸死!」を連呼していたんですが。(笑)


   他にも、「ユリの王子」「パリジェンヌ」などの有名作の現物がホールに並んでいます。
   「パリジェンヌ」などに描かれている女性を見ていると、山岸涼子の「ハトシェプスト」に出てきたクレタの巫女は
   これがモデルだったんだなぁ、などとしみじみ思いました。



   大体見終わったので一階に降りて、ミュージアムショップと呼べるのかどうか非常に微妙なカウンターでお土産を買いました。
   海里君はクノッソスで見たエロイルカ(酷)の現物のポスターと牛追いの君のポスター。
   管理人は「青の貴婦人」のポスターと同じく牛追いの君のポスターを。
   それぞれ4ユーロ也。
   きちんとした素材に印刷されていて、後ろには一枚づつシリアルナンバーの入ったシールが貼られていました。





   考古学博物館を出ると、時間は5時過ぎ。(博物館の営業時間は夜7時まで。但し、冬期11〜3月は5時まで)
   夕食には勿論早すぎますし(さっき食ったばっかり)、ここは一つ近場でも散策しよう、と「ヴェネツィアの砦」に行く事にしました。


   考古学博物館とホテルの間の細道(上の地図に記載なし)を歩けば北側の海に出られそうでしたので、博物館の横をゆっくり歩き出しました。
   ・・・と、何十メートルも行かないうちに、すぐ側の土産物屋街に気を取られてフラフラと入り込んでしまいました。(笑)
   が、実はこちらのお店、結構使えます。


   通り側のお店は蜂蜜を取り扱っているお店で、中に入るとおじさんが二人にどんどん試食をさせてくれました。
   スプーンごと渡された蜂蜜を一口食べると・・・おいし――い!
   クレタ島は農産物の生産が国内でもさかんな所なのですが、その中でも蜂蜜は白眉です。
   ナッツがごろごろ入っているものもあり、おいしそう。
   「ウチのはクレタの蜂蜜をオリジナルブレンドしているから、ここでしか売ってないよ。」という売り文句もまた魅力的。
   海里君はナッツ入りの小さな瓶入りのものを購入。
   管理人は重くなるかも、と思って購入を差し控えたのですが、今思えばやっぱり買っておけば良かったと後悔しています。(笑)
   こちらのお店には他にもウゾなどのお酒や、オリーブオイルを使ったハーブ入りのクリームも置いていました。
   クリームはちょこっと手に塗ってもらったのですが、非常に使い心地が良さそうでした。
   ……あああ、やっぱり買えば良かったよ!(涙)
   良いですか、考古学博物館のすぐ西隣の路地です。(笑)


   その隣には海綿を売っているお店があり、更に隣にはやはり土産物を売っているお店があったのですが、
   此処は銀製品が安くて良かったです。(後から思えば、本土よりも安かった・・・!)
   管理人、此処でブレスレットとピアスを購入。






   さて、寄り道も長くなるとマズイので、砦に向う事に。(笑)

   路地沿いに北へ歩いていると、周りはアパートや民家の並ぶ住宅地に入ってきました。

   と、ここで今度はカフェのおじさんに呼びとめられました。
   路地に面した小さなカフェは手狭と見えて、路地に机や椅子を出して何人かの人達が話しに興じているようでした。
   おじさんは我々に近付いてくると「あそこの人たちはNYから来たんだ。君たちも一緒に話に加わらないかい?」(英語)と
   話し掛けて来ました。
   ううむ、楽しそうな雰囲気ではあるのですが、急がないと本当に日が暮れてしまいそうなので
   「今からヴェネツィアの砦に行くつもりなんで、すみません。」と言うと、「そうかい?そりゃ残念だ。
   砦に行くにはそこのつきあたりを右に曲がってまっすぐ行くと道に出るよ。」と教えてくれました。


   おじさんに言われた通り、つきあたりを右に曲がってしばらく住宅街の裏手を歩いていると、少し大きな通りにでました。
   …何の事は無い、博物館の南側からそのまま真っ直ぐ伸びた道路なのですが。(笑)


   この道は交通量がちょっと多いので、さっと横断して広い方の道を歩くことにしました。
   すぐ側にスタンドがあったのですが、………なんだ、この看板は!?(笑)








燃え上がれ・・・?

さすがは聖闘士の国・ギリシャ。国民は皆このカードを所持・・・?(笑)






   こんなものにまで反応してしまう管理人、最早手遅れ。(笑)
   かなり調子こいたポーズで写真を撮りました。
   ちなみに、「ΚΑΡΤΑ」は「カルタ」と読み、カードのことです。
   このカードはテレカなんだそうです。…小宇宙に目覚めるためにも、買えば良かったか!?(笑)


   ぷちまとめ:「聖闘士カード」は存在しませんでしたが、「コスモカード」はギリシャに存在します!
   使うと、離れた相手に自分の思いを伝えられるようです。(笑)









      <生兵法は怪我の元>

   さて、ふざけた写真を撮り終えた管理人と海里君、
   そのままスタンドを通り過ぎて緩やかに下り始めた道を下りていこうとしたところ、目の前に大量の猫が発生!
   木の下に信じられないほどの猫がいるのです。

   「…もしかして、これは『猫の泉』か!?」

   と驚きながら、海里君がばっしばっし写真を撮りました。





凄い数!

二階堂氏もびっくりの「猫の泉」。ギリシャは犬猫多いですが、此処はとにかく凄かった・・・。






   …しかし、此処、何か……臭うな!(笑)
   タネを明かせば、どうやらこの木の下がゴミ捨て場だった模様で、猫が集まっているようです。
   それにしても凄い数の猫。


   しばらくそこでまた寄り道をしていたところ、今度は向こうから歩いて来たおばさまに引っ掛かりました。
   我々があまりにも暇そうに猫と遊んでいたので話し掛けて来た可能性が高いです。(笑)

   ところが、おばさまのお話が………オール・ギリシャ語!(汗)
   どうやら英語は全然話せない模様のおば様、なにやら色々話しています。
   こちらもちょっと困っていると、おばさまも気が付いたのでしょう、やたらと会話の中に「Καταλαβαινετε?Καταλαβαινετε?」
   (Καταλαβαινετε=understand)と言う単語が聞き取れました。
   …よおっし、今だ!(笑)

   管理人、この時を待っていましたと言わんばかりに初ギリシャ語会話!

   管:「Δεν καταλαβαινω ελληνικα.」(I can't understand Greek.だが厳密に言えばI don't understand Greek.)

   この瞬間、おばさまの表情がぱぁぁっと明るくなりました。
   やった!通じたよ私のギリシャ語!発音完璧!
   ピンズラーの英語版ギリシャ語会話のCDで勉強した甲斐あったな!(笑)


   ・・・が、おばさま、どんどんギリシャ語で話し掛けて来ます。(汗)
   も、もしかして、「Δεν」(否定詞)の部分が聞こえていなかった!?がびーん!(笑)


   おばさまからすると「まあ、東洋人の観光客がギリシャ語を話すなんて!もっと話さなきゃ!」と促進されてしまったのか、
   確実に日が暮れそうな勢いでお話をしていました。
   なにやら鞄から写真や新聞の切り抜きまで出てきましたよ。(汗)
   どうやら、自分の旦那さんが北欧系の航空会社で働いていて、写真は旦那さんの若い頃のもののようです。
   …しかし、これは流石にどうしようも無いと言いましょうか、どう考えても文脈的に終りが絶対に見えないので(笑)、
   海里君と目で会話した結果、通じないと分かっていても「We must be going now! Sorry!」と
   一気に捲し立てて脱兎の如く逃げました。
   …も、申し訳無い、おばさま!我々にもう少しギリシャ語の能力と時間(むしろ、こっちが重要)があったなら…!


   …「生兵法は怪我の元」、まさにこの言葉が身に染みた夏の一時でした。(笑)