ROUND 2.3  二日目(2)  アテネ・クレタ







9月16日(木)







      <「タベルナ」は飯を食う所>

   最初に入った門の外でIさんご夫妻、Kさんと落ち合い、また元のバスに乗りました。
   すぐ近くの第一回オリンピック競技場で一旦車を降り、ちょっとだけ撮影をした後、
   今度はあろうことかお土産物屋に連行されました。
   何故か日本人のおばちゃん店員が満載のこのお店、どうやら提携しているらしく、しつこくカメオを勧められました。
   …小さいもので一個135ユーロ!?
   …だ―――っ、そんな高いもの買えるか――!(怒)
   「記念になるわよ」とか「お母様に」などとさんざん迫られましたが、海里君も管理人もパス!
   はっは――んだ、ウチのママンは食い物にしか興味ないもんね――だ!(笑)
   他のものを見ていても非常にしつこく迫ってくるので辟易でした。
   …オリンピックのボールペンを一本だけ買って、勘弁してもらうことにしました。







何にも無い

第一回オリンピック競技場。パラリンピック開幕間近なのでフラッグが一杯。






   その後、Kさんに案内されてプラカ地区のタベルナへ。
   プラカはその古い街並みに対して国から保護令が出ているので、改装するときにも届出が必要なんだそうです。


   …と、ここで管理人、あることに気付きました。
   アテネ、犬が多いなぁ…。
   Kさんによると、アテネには野良犬が非常に多く、みんな首輪を付けられているそうです。(犬を飼う人っていないのか…?)
   オスは青、メスは赤の首輪です。(首輪を付けられている野良犬は、去勢・避妊済みの証。付いていない犬は未処置)
   観光客から食べ物をもらったりして凌いでいるそうですが、交通事故に巻き込まれて長生きできない犬が殆どだとか。
   …犬好きの管理人、ちょっと寂しい気分になりました。(涙)



   …気を取り直して、さて、昼ごはんです。
   怒濤の土産物屋を出た後、プラカのタベルナ「ビサンティーノ」にて昼食とあいなりました。
   フリープランの全日程中、昼食が付くのはこの日だけです。
   こちらの店はプラカ地区の真ん中のタベルナ集中地帯にあり、カフェテリア席がたくさんある典型的なプラカのタベルナです。
   ガイドブックにも必ず載っている「日本人におすすめの店」として知られているためか、
   「ビザンティーノ」とカタカナで店名が書いてあるのがなんとなく笑えました。
   Iさんご夫妻と管理人、海里君の四人でカフェテリア席に座ったところで、ガイドのKさんが去って行かれました。
   ありがとうございました、Kさん。


   去り際のKさんのお話によると、こちらのお店での食事はもうメニューが決まっているので、
   飲み物だけ別会計で好きな物を頼むように、また、1時間強したらマリソルから迎えが来ます、との事。
   Iさんご夫妻はビールを注文なさいましたが、管理人は例のものが二日目ですし、
   海里君は早くも胃腸の調子が傾き掛けていたのでミネラルウォーターにしておきました。

   昼食に出てきたメニューは、トマトのリゾット、グリークサラダ、ポークスブラキ、そして西瓜でした。
   この先もそうですが、タベルナでは席に付くとまずパンとバター(オリーブオイルのことも)が出てきます。
   後で一人当たり04.〜0.8ユーロくらいのチャージ料金が課せられます。
   このパンをつつきながら料理が出てくるのを待ったり、料理を食べながらパンを食べたりするので、
   リゾットやパスタなどの主食ものを頼むと非常に炭水化物ちっくな食卓になります。お気を付けあれ!(笑)
   従って、以降我々は肉や魚などのディッシュとサラダだけを頼むようにしました。



   さて、お味ですが、最初に置かれたパンがおいしーい!
   ギリシャのパンはしっかり練られているらしく、程良い密度。
   且つ、卵の色がほんのりと付いているのですが、ブリオッシュのようにバターで濃い味と言う訳でもありません。
   しっかりした味なんですが素朴、と言ったところでしょうか。とにかくおいしいです。
   このチャージのパンは、今後どこに行っても美味でした。


   リゾットは管理人には丁度良い堅さでしたが、普通の日本人にはちょっと堅いかもしれません。
   逆に、塩味が多少強く感じられましたが、他の三人はなんでもなかったようです。


   サラダは、フェタチーズを散らした典型的なグリークサラダでした。お味は上々。
   スブラキは所謂肉の串焼き(炭火焼)なのですが、レモンを絞って食べると大変美味でした。
   スブラキの皿にはポテトが付いているので、かなりお腹が膨れます。
   案の定、Iさんの奥さんはこのあたりでダウン。
   おばあちゃんっ子で和食ばかりの海里君もそろそろ苦しそうで残し始めていました。
   横目で見ているだけでもったいなかったので、管理人、海里君にギャグで一言、

   「食べろ!残すと『もったいないおばけ』ギリシャに出張して来るぞ。」

   …Iさんご夫妻にバカウケ(死語)してしまいました。(笑)
   は…、此処まで来てネタに走ってしまった…。(汗)



   この食事中、Iさんご夫妻とずっとお話していたのですが、どうやらご夫妻はアリタリア航空だった模様。
   機内食やフライトはどうでしたか、と聞くと、機内食はわりかし普通、フライト時間はやっぱりいい加減だったそうです。
   …流石は天下のアリタリアですな…。聞きしに勝るアバウトさ。(笑)
   …もしかして、なんだかんだ言いながらBAは当たりだったのかもしれません。
   そして、ご夫妻もやっぱり日〇旅行の同じコースとのこと。
   但し、パンフの正規日程のため、帰国日は我々より一日早いようでした。
   このコースを選んだ経緯を訊くと、最初に申し込んだ日は没になり、この日程を勧められたそうです。
   …もしかして、我々が申し込んだのでこの日程が決行になったんでしょうか?
   一応、最小催行人数は二人の筈なんですけれども…。(汗)


   ご夫妻は多分、我々よりも干支半周〜一周くらい年上のように見えました。
   そして海外はそこそこ旅慣れたご様子。
   ギリシャは旦那さんは初めてで、奥さんは大学の卒業旅行でちょっと立ち寄って以来だそうでした。
   話も盛り上がってくると、「さっきのお土産屋は勘弁してほしいわよねー。ああ言うおばちゃん商法って今時はやらないって。」
   などと奥さんは本音トーク爆発でした。(笑)



   管理人は一般的に喋ってばっかりなのでだいたい食事は遅いのですが、やはり一人だけ非常に遅れていました。(笑)
   その管理人が西瓜を食べ終わる頃、マリソルの蟹さんが颯爽と現れました。
   飲み物の勘定だけを清算して、バスの待つハドリアヌスの門の前まで歩きます。










      <いざ、クレタ島へ>

   プラカの細い路地をアマリアス大通り方面に下ってゆくと、我々の乗るバスが…バスが……このバス、
   さっきのバスよりもでっかくないかい!?(驚愕)
   小型バスが…大型観光バスに大変身。(笑)
   乗り込んだのはいいんですが、このサイズに…4人+蟹さん+運転手のおじちゃん。
   だぎゃ――っ!勿体無い、勿体無いよ兄さん!(笑)
   とりあえず、前の座席にちょこんと座り込み、後ろにIさんご夫妻、管理人たちの横の座席に蟹さんが座って空港へ向けて
   出発しました。
   エレフテリオス・ヴェニゼロス空港への30分の道程の間、蟹さんが今後の我々の細かい予定や頼んでおいた調べ物について
   お話くださいました。


   …この話を聞く限り、どうやらまったく同じコースとは言え、Iさんご夫妻と管理人一行では微妙に日程がずれている模様。
   同じなのは、これから乗るクレタ島イラクリオン空港行きの飛行機とクレタ・サントリーニの滞在ホテルのみ。
   管理人達の以降の予定(現在、日程二日目)は以下の通りだったのですが、
   Iさんご夫妻は同じツアーなのにこうなっていた模様です。(比較のため、3〜6日目のみピックアップ)


     管理人一行 <三日目>クレタ島終日フリー
             <四日目>朝7時発の飛行機でクレタからアテネ(8時着) 朝9時発の飛行機でアテネ→サントリーニ
             (10時サントリーニ着) ホテルチェックイン後、フリー
             <五日目>サントリーニ島終日フリー 
            <六日目>朝10時発の飛行機でサントリーニ島→アテネ(11時着) ホテルチェックイン後、フリー


     Iさんご夫妻 <三日目>クレタ島終日フリー 
            <四日目>昼近くの飛行機でクレタ→アテネ(昼頃着) 夕方5時の飛行機でアテネ→サントリーニ(6時着) 
             チェックイン後、フリー 
            <五日目>サントリーニ島終日フリー 
            <六日目>昼下がりの飛行機でサントリーニ島→アテネ ホテルチェックイン後、フリー



   …随分違いますよね、日程。
   管理人たちは移動が早朝になってしまって朝がどうしようも無く早い分、向こうに着いてから時間はたっぷりあります。 
   Iさんは出発が昼〜昼下がりなので多少ホテルの周りを見て歩く事はできますが、その分向こうに着いたら夕方で動けません。
   …しかも、クレタからサントリーニに行く途中のアテネでの待合時間がなんと5時間もあります。
   (我々は1時間。これはこれで短いので、もしかすると前の便が遅れたら乗り継げないこともあるそうで
   「その場合は自動的に乗り継ぎ扱いになってる荷物が遅れますから、一応一日分の着替えは持って飛行機に乗ってくださいね!」
   と蟹さんに言われました。)

   Iさんは我々より一日早く帰ってしまうので帰国日の前である6日目に買い物をしたかったようですが、
   この日は月曜日でブティックなどの一般のお店は昼3時で閉まってしまいます。
   (一般のお店は、日曜が休み、月・水・土が昼3時で閉店。)
   …彼女たちの日程ではちょっと買い物ができません。(プラカのお土産物屋は開いているでしょうが。)
   …同じコース・日程でもこのような格差が生じてしまうことがあるので、皆様もご注意です。



   更に、各島やアテネでオススメのレストラン情報や行かない方が良いレストラン情報などを蟹さんがご説明くださいました。
   ギリシャと言うとシーフードが安そうなイメージがあると思いますが、実はそうでもないそうです。
   特にサントリーニ島ではシーフードがべらぼうに高いそうで、要注意。
   (海はあっても川がないので魚が捕れないのが原因だそうです。)



   そして、管理人一行がアテネに帰って来た時のスニオン行きのバスの時間も教えてくださいました。
   現在は各時40分だそうです。(よく時間が変更になるので要チェックです。)


   この時に蟹さんが管理人に、
   「あっ、すみません。私今朝、あれから家に帰ってないのでスーツケースベルト探していないんですよ。
   …帰国前には絶対にお渡ししますね!」
   …いえ、そこまで切羽詰った状態の方に無理していただかなくても…。(汗)
   なんだか申し訳ない管理人でした。(笑)



   また、マリソルでは上質のオリーブオイルや海綿、オリーブオイル石鹸などを扱っていて
   そこそこのお値段で売ってくれるそうなので、帰りに寄る事にしました。
   帰国情報もおみやげもここ一軒でかなり片付きます。(笑)



   さて、話でもりあがっているうちに、バスはアテネ郊外へ。
   周りは荒涼とした大地と松やオリーブの木ばかりでした。






オリーブ

道中のオリーブの木。非常に荒涼とした山々。






   出発から30分ほど経って、エレフテリオス・ヴェニゼロス空港に到着。
   …10時間くらい前にもいただろ、とツッコんではいけませんよ。(笑)



   時刻は午後3時。イラクリオン行きの飛行機の時間は16:30なのでもうちょっと時間があります。
   とりあえずチェックインのお手伝いを蟹さんがしてくださり、後は自由になりました。
   この時、「二人で隣になるようにしますねv」と蟹さんはオリンピック航空のカウンターで何やら仰られていたのですが、
   席番号が打ち出されたチケットを見てちょっと首を捻るとまたカウンターに何か訊きに行かれました。
   何事かと思ったら、「AとCなのに席が隣だって言うんですよ。…変ですよねぇ?」
   …確かに、Bが無くてAとCが隣と言うのも聞いた事がありません。オリンピック航空だからなのか?(笑)
   まあ、でもカウンターの方がそう言うんだし、多分隣でしょう、という事で一段落。(?)
   蟹さんはその後、T/Cを両替したいと言うIさんご夫妻を案内して去ってしまわれました。
   …蟹さん、ありがとうございます!また後日に!



   さてさて、まだ飛行機まで時間もあるし、空港の中を早速探検です。
   エレフテリオス・ヴェニゼロス空港には、建設中に出てきた発掘物などを展示してる部屋が上にあり、無料で観る事が出来ます。
   …流石は瓦礫遺跡の国、ギリシャ。何を作るのにも発掘しなければいけないし、掘ると必ず何かが出てくる模様。(笑)
   壺などの展示品をさ――っと見て、元のフロアに降りました。



   空港には免税品やお土産屋、フォリフォリなどのブランドショップ、それにオリンピックグッズのオフィシャルショップなどが
   軒を連ねています。
   早速オリンピックグッズのお店に入り、品揃えをチェック。
   衣料品やピンズから、カップ、文具、公式キャラクターの「フィボス君」「アテナちゃん」の縫いぐるみ、
   果てはアクセサリーや香水まで限定品が山盛りでした。


   …ここで管理人、ショーケースの中のリングに一目惚れ。
   今回のオリンピックのマークであるオリーブの葉を象ったシルバーのリングで、三箇所にスワロフスキーが散りばめられています。






かわいい…!

話題のブツ。形がかわいいのなんの。






   …か、可愛い…!
   でも56ユーロ。(1ユーロ=135円)
   銀製品が安い(日本の半額ぐらい?)ギリシャではちょっとお高いかも…。
   …ええい、まだ旅は始まったばかり。
   最後にもう一度欲しくなったら買う事にしよう、と潔くその場は諦めました。



   お腹が空くかなぁ?大丈夫かなぁ?などと現地に着くまでの心配をしつつ、空港で食料の調達はしませんでした。
   チェックイン後、搭乗口近くのスタンドで水だけ買います。
   ミネラルウォーター500ml一本、0.6ユーロ也。
   …イギリスの物価って、やっぱりおかしいよ、兄さん…!(涙)



   ゲートの付近は、これからクレタに向う白人さんで一杯でした。
   …やっぱり、全般的に東洋人は少ないよ…。
   ギリシャに送られてきた主人公の気分をちょっと味わいながら、待合室で二人、ぼ――っと待ちました。(後ろにはIさんご夫妻も)



   時間の20分くらい前になって、ようやく搭乗開始です。
   …って、やっぱりバスで移動ですか。(笑)
   殺人的に大きなバス(車幅が4mくらいあった…)に乗り込み、我々の乗る飛行機の待つ滑走路へ。
   「このままこのバスがクレタ行きだったりして。」などと下らない事を言っていると、
   あっという間に飛行機の側に着いてドアが開きました。

   …ち、ちっちぇえ〜〜〜〜〜!(笑)
   この飛行機、仙台⇔広島便よりも小さいよ!(笑)
   おそらく100人乗り程度の大きさ。シートは2・2配置です。
   指定された席の番号のところに行くと…おお、確かにAとCが隣!
   疑って悪かったよ、オリンピック航空…。(笑)
   しかし、座ってびっくりしたのが、席の広さ。
   オリンピック航空の飛行機には計4回乗ったのですが、この時のシートが一番広かったです。ビジネスよりも広いかも…。
   はあ、これに45分しか乗れないとは…!どうせだったら成田→ロンドン便もこのくらいに(以下省略)



   飛行機は無事離陸。…アテネよ、また明後日乗り継ぎで寄るぞ!(笑)
   早速眼下にはエーゲ海の島々が見え始めます。

   …おおお、島が一杯ありすぎてどれが何島なんだかさっぱりわからんよ!(爆笑)

   飛行時間が短い(距離が短い)ため高度があまり上がらない状態で運行しているからでしょうか、
   離陸して5分もせずにベルトサインが消え、もう飲み物の配布が始まりました。
   オリンピック航空の可愛いアテンダントのおねえちゃんからオレンジジュースを受け取って飲んでいると、
   海里君が管理人に耳打ちしました。

   海:「…あのさぁ、前のおばさん、『湯婆婆』そっくりなんだよ!」

   …ま、マジで!?
   管理人、すぐさま席を立って前を覗きたいところなんですが…流石に我慢。(笑)
   到着した時に見ることにしました。



   ジュースを飲み終わる頃、窓側だった管理人の視界になんだか見覚えのある形の島が。
   ……あの三日月型の島は…もしかして…。

   いえ、ここで間違っても「殺生丸――!」などとは言いませんよ。(笑)
   三日月の真ん中の部分には小さい島があります。…やっぱり…?

   と、ここで機長からのアナウンス(英語)が流れました。
   「左下に見えるのがサントリーニ島です。」
   ・・・・・・・おおお、やっぱり!
   ガイドブックで何度も見たこの形。やはりサントリーニでありましたか。
   管理人、ホクホク顔でパチリ。






殺生丸――!(違)

サントリーニ島を機内から。本当に三日月型です。






   サントリーニ島はヨーロッパでは有名なリゾート地のため、乗っていた白人さん達が一斉に窓にへばりついて島を見ていました。(笑)
   島が見えなくなったと同時に、機体は降下し始めました。
   …45分って福岡⇔ソウル並みですがな!(笑)