ROUND 1.5 一日目 (2)
9月15日(水)
<楽しいロンドン、愉快なロンドン ©川原泉>
イギリス時間17時過ぎ、機体は無事にヒースローにランディング。ナイスな事に定時です。
おおっ、遂に大英帝国に到着です!
窓からちょっと外を見ると、ロンドンは赤煉瓦の建物が多く、規則正しく軒を連ねていました。
うーん、さすがはロンドン、小洒落ています。
空席が一つも無いぎゅうぎゅう状態でしたので、後ろから4〜5列目だった管理人達は少々待ってから空港に入りました。
「楽しいロンドン、愉快なロンドン!」と川原泉氏の某作品のマネをしながらうきうきと通路で写真を撮った後、
二人は「Transfar」の建物へ。
非常に距離が長かったのですが、途中先ほどのおじさま達と一緒になりました。
おじさまに拠ると、彼らはロンドンで二泊してからギリシャ入りだそうです。
明るいけれども決して下品では無い彼ら、行き先が「ロンドン&アテネ」とはこの年齢のおじさま団体(3人ですが)にしては
非常にスマート且つノーブルです。
「またアテネで会えたらいいね。」とここでお別れしました。
さて、管理人と海里君は乗り継ぎ用のキンコンゲートへ。
列をなしている人々もちょっと大きめサイズ(縦&横)です。
…でも、やっぱり管理人はまだちょっとデカいみたい…。(汗)
重装備管理人、ヒースロー空港・到着ゲートにて。
無事にゲートを通り抜けた管理人、ほっと一息…と思いきや、此処で海里君の荷物が引っ掛かってしまいました。
何やら何度も検査されていましたが、どうやら荷物に入れておいた爪切りが引っ掛かった模様です。
…鋭利な物は感知されますので、皆様もご用心を!
さて、検査が済んで、後は5時間近くのなが――い待ち時間です。
本当はロンドンに出てみようかと話していたのですが、一度空港を出るとなると、
出る前に(イギリスへの)「入国許可証」を記入してその後また出国手続きをしなくてはなりません。
5時間とは言え、やはり1時間前には空港に居なくてはいけないでしょうから、たったの4時間弱の外出のために
ここまでするのも面倒くさくなり、且つロンドンの地理は皆目わからないのでヒースローで時間を過すことにしました。
そうと決まれば、さあヒースローを大探検(笑)です!
なんとなく喉が渇いていた管理人、ふと目の前に自販機が掠めたので「何か飲もうか」と近付くと
……コーラが一本1£!?(1£=200円)
たっか――い!なんじゃこりゃ!!(怒り)
ミネラルウォーターも500mlで1£なんですよ!
空港だからと言う訳でもなく、これがどうやらイギリスの物価らしいです。
…忽ち湧き上がる反英感情(笑)。
空港にはいろんな売店があり、ゆっくり見て回る事にしましたが…やっぱり何もかも高い!
ハロッズなどのブランドは言わずもがな、薬局に置いている日焼け止めですら全く安くありません。(涙)
行きは兎も角、帰りは何か記念に買おうかな、と考えていた管理人ですが、一気にヤル気喪失。
とりあえず何か食べよう、と二人でレストラン&フードコートのエリアに行ってみました。
…パスタ8£、サンドイッチ4£、チョコドリンク(ミニペットボトル)1.8£…。
な、何も食べる気が起きないよ、兄さん…!(涙)
お弁当屋(?)では寿司折(一人用サイズ)も売っていたのですが、8£…。
「そうだ、イギリスのファストフード、『フィッシュ&チップス』を食べてみよう!」と気を取り直して他の店を覗くと、
ありました、『フィッシュ&チップス』!
…が、7.5£ぉぉぉぉ!?(勿論、お一人で)
どこが「イギリスのファストフード」なんだよぉぉ――!と二人で思いっきり憤慨しました。
しょうがなく二人は一番奥にある正真正銘のファストフード『Barger King』に入りました。
…機内食の方が絶対クオリティ良いですよね…。(涙)
…しかし、此処もバーガー+サイド+ドリンクのセットでほぼ5£…!
マックのセットが二つ食べられる値段ですよ、奥さん!(涙)
端っこの方にちょこんとあったバーガー(チーズバーガーとかハンバーガーなどの野菜抜きの簡単なモノ)
+ミニサイド+ミニドリンクにおもちゃの付く「キッズミール」だけは2.8ポンドでしたので、結局これで良いやと二人とも注文。
…これでも600円近いわけですから溜息が出ます。(涙)
持ち帰りじゃないのに紙袋に入れてくれたのですが、………おお!『遊〇王』だ!!
開けてみると、おもちゃも『遊〇王』でした。
うーむむ、どうやらこっちで流行っているのでしょうか…。(笑)
どうせだったら『星矢』の方が良いよな!と言いながら二人でキッズミールをつつきました。
バーガー〇ングのキッズミール(2.8£)。ほーら、紙袋とおもちゃが「遊〇王」。
お味に関してですが…バーガーはお肉がパサパサしていました。ポテトは普通です。
頼んだミルクは紙パックに入っていたのですが、…これは美味しい!
流石はミルクティーの国!(違)低温殺菌牛乳みたいな香りで美味しかったです。
目の前を通るイイ男を二人で品定めしながら(こう言う時は外国って良いですよね。
何を話していても向こうには解らないわけですから。笑)、残さず全部食べました。
まだまだ時間があるので、もう一回お店を回ってみました。
薬局で化粧品を見ていると……あっ、「ハーバル〇ッセンスシャンプー」が!
飛行機の中で「『Yes、Yes、Yes!!』をやったらアテンダントにボコられるかもしれないけど日本人客には受けそうだ」などと話していたので、コレを見た時には笑いが出ました。
…そう言えば、あのCM、英国でもやっているのでしょうか?
中央の休憩ベンチで休みながらフライトの案内を見ていたのですが、
どうやら午後8時の現段階でまだ搭乗口の案内はありません。
よーく見ると、我々の乗るB・Aアテネ行きは最終フライトのようです。(同じ時間にもう一本別の会社のアテネ便がありました。)
朝、ホテルを出てから20時間近く経っているので、とりあえず交替でトイレに化粧直しに行きました。
…おお、イギリスの洗面台、管理人の高さにジャストフィット!!(日本より20cmくらい高い)
…素晴らしい…!日本の規格もこのくらいになってくれると腰が痛くなくていいのですが。
それでもまだ時間が余っていたので、二人でゲームコーナーへ。
スーパーのゲームコーナー並みの規模ですが、なんとコインゲームのコインは10ペンスじゃないですか!(100ペンス=1£)
札を崩すついでにちょっとやってみました。
ここでスロットでもなくコイン落しをやっちゃうあたりが管理人らしいチープさです。(笑)
2ポンドくらい使ったあたりで、白人のおばさまがしばらく我々が遊ぶ様を観察していらしたのですが、
やがて一言「Tricky」と言い残して立ち去りました。
…悪うござんしたね、「Tricky」で…!(笑)
またもとの休憩所に戻って来ても、まだ搭乗口の案内は出ていません。
「もうそろそろ出てもいいよねぇ…?」と言っていると、目の前をでらぁかっちょいい殿方が!!(笑)
二人で意味も無く彼の前を通り過ぎて目の保養をしました。(笑)
物価は最低ですが、やっぱりイイ男は多いです…v
気が付くと、残すフライトはあと僅か。人がめっきり少なくなっていました。
「茶でも飲むか。」と二人でレストラン兼バーに入るとお兄ちゃんに「今、機械が壊れていてホットドリンクは出せないんだ、
ごめんよ。」と言われてしまいました。
イギリスまで来てアイスティーってのもなんですし、しょうがないので弁当屋のスタンドで紙カップ(スタバサイズ)の
ホットティーを頼みました。一杯1£也。
これはまだリーズナブルでしょうね。
ティーパックだったのですがお味も美味しかったです。
時間を掛けてカップの紅茶を飲み終えても、まだ搭乗ゲートの案内は表示されませんでした。
…ううぬ、本当に飛んでくれるのでしょうか、B.A…。
普通ですと搭乗口集合の時間になって、ようやくゲート番号の表示がモニターに出ました。
最早閉店間際(違)のヒースローを二人でひたすら進みます。
辺りはがらんと静まり返っていましたが、アテネ便のゲートの周辺だけ人が集まっていました。
管理人が横目でちらりと観察すると、周りは英国人ばかり。
…が、中には日本人と思しき数人と、多分中国人もぱらぱら。
あ、さっきの便で見掛けた車椅子の方+介助の方が!
…そうか、明後日開幕のパラリンピックの選手の方だったんですね。なんとなくラッキー!
やはり最終フライトとあってか、搭乗開始から程なく機体はヒースローを飛び立ちました。
グッナイ、ロンドン、しばしの別れ!
さて、この時点でロンドンは夜10時半ですが、アテネは夜12時半、日本に至っては朝6時半です。
ここまで来てようやく管理人も眠くなって来ました。(笑)海里君は言わずもがなです。
しかし、ベルトサインが消えてすぐ、予測通り機内食が配られ始めました。
とことん気分はブロイラーです。(笑)
ロンドン→アテネの機内食。 英国産牛肉たっぷり使用。(笑)
ヒースローで食べたキッズミールを消化しきっていた管理人にはちょっとありがたかったのですが、
海里君は今にもブラウンシチューに頭を突っ込みそうです。
放っておいたら髪に人参とじゃがいもを付けたままアテネに降り立ち兼ねないので、
とりあえず叩き起こしてある程度の量を食べさせました。
管理人は全部たいらげましたよ、勿論。
…しかし、よく考えたらさっきのハンバーガーと言い今のブラウンシチューと言い、
イギリスの牛肉を食べているんですよね、我々…。
管理人の背筋に一気に吹き出る冷や汗。(笑)
どうせ外は真っ暗なので、仕方なくまた自分を騙して3時間ほど眠りました。
一旦落とされた照明が再び点ったのは、着陸の30分ほど前でした。
視界の下にはエーゲ海が広がっているはずなのですが、この時アテネは夜4時。さすがに暗くて何も見えません。
起き出した海里君と「いよいよだな」と話しているうちに、機体は着陸態勢に入りました。
…とうとう来たよ、サガの国(笑)、ギリシャに…!
無事に着陸した瞬間、内心で拍手喝采の嵐でした。
<星矢よ、あれがアテネの灯だ>
…「エレフテリオス・ヴェニゼロス」、さて皆様、これなんだか解りますか?
…そう、アテネ国際空港の正式名称、それが「エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港」です。
ちなみに、これは人名で、1909年に初めてギリシャ首相になった方です。
朝4時半に到着便があると言うのもどうだ!?と思っていたら、こちらの空港はローソ〇もびっくりの24時間営業なんだそうです。
うーん、流石は夜が遅く朝早い国。ちょっと感心します。
到着ロビーを進むと、目に入るギリシャ語の表示。
…ああ、やはり此処はギリシャ、It's Greek to me!(爆笑)
バゲージレーンを流れてくる荷物を受け取って…と、あれ?管理人のスーツケースベルトが……無い?
今回の荷物は成田→ロンドン→アテネと積み換えられてきたはずなので、一体何処でベルトが外れたのかは解りません。
…今頃、ロンドンあたりで置き去りにされているかも…。
出口を出たところで現地の旅行会社マリソルツアーズの出迎えの女性が管理人達の名前を書いたボードを
持って待っていらっしゃいました。
今回の旅行は基本的にホテル手配とフライト手配、そして空港⇔ホテルの送迎のみの添乗員無しフリーツアーです。
(一部アテネ半日観光サービス有り)
従って、日〇旅行からこちらのマリソルに全ての手配を依頼し、我々の送迎などをしていただく形を取っておりました。
今後の詳細な日程の解説も兼ねて早速エレフテリオス・ヴェニゼロス空港からホテルまでの送迎をしていただくわけです。
専属(?)の運転手のおじさんに荷物をトランクに積んでもらい、管理人と海里君は後部座席に座り、車は発車しました。
…おお、この車、BMじゃないですか。(笑)
何故か日本の神社のお守りが吊るされています。どこかの八幡のお守りらしいのですが、文字が隠れてよく見えませんでした。
どうやらこれはマリソルの方が付けたようです。なんとなく天晴れです。(笑)
最初に、マリソルの方が自己紹介をなさいました。
「私、マリソルツアーズの蟹〇と申します。」
…この瞬間、二人とも吹くところでした。
実は、管理人は星矢サイト以外では昔から「大王イカ」というHNを名乗っており、海里君からは「いかさん」と呼ばれております。
(付けてくれた友人によると、巨大で白くて軟体動物なところが「大王イカ」らしく。笑)
更に海里君は本名のどこかに「エビ」が入るので、管理人は昔から彼女を「えび」と呼んでおりました。
…ギリシャまで来た途端、いきなりエビ・イカ・カニの海鮮三昧かよ!(笑)
今後、彼女の事を「蟹さん」と呼ぶことに決めた二人でした。…脳裏のどこかに銀髪の不逞の輩が横切ります。(笑)
蟹さんから今後の予定表を貰い、一路アテネ市内へと向います。
空港からアテネ市内までは車で30分程度掛かるほど距離が離れているようです。
暗くて何にも見えなかったのがちょっと残念でした。
蟹さんのお話によると、どうやら今回のツアーではもう一組日〇旅行から同じプランでいらした方が。
彼女達は別の便だったので夜11時にはアテネに着いていたそうです。
我々だけこんな超深夜に着いてしまったのですが、どうやらパラリンピックのせいで
航空チケットが取り難い状態にあったのが原因のようでした。
「すみません、お疲れでしょう。明日も早い(プランでは、翌日は朝10時からアテネ半日観光がセットになっている)ですのに…。」
と蟹さんは何か申し訳なさげな表情。
…いや、なんだかこんな超深夜(寧ろ超早朝?)に皆様を働かせてしまって、逆にこちらが申し訳無い気持ちで一杯です。
管理人達は基本的にずっとフリープランなので、何か訊きたい事はありますか?と訪ねられた時に、
リコンファームや両替について気になっていたことを何点か訪ねてみました。
リコンファームとは、帰国便に乗る際、72時間前までに一度航空会社に確認の電話を入れなければならない制度のことで、
主に座席のダブルブッキングを防ぐために設けられている会社が多いのが現状です。
(問い合わせは英語でオッケー。)
結局、今回の旅行では航空券が全部まとめて発券されているので大丈夫とのことでした。
それと、「準備」のところで記述しましたが、小銭。
他のヨーロッパ諸国ほどチップについては厳しくないギリシャですが、やはりタベルナやホテルのベッドメイクに対しては
チップを渡した方がベターです。
が、二人とも札だけなので、朝払うチップの小銭が必要だったのですが、これも蟹さんによるとホテルのフロントで
やってくれますよ、との事。
我々が「ベッドメイクのチップを…。」と言った時、蟹さんが「ああ、枕銭ですね。」と応えたのが非常にボディブローでした。(笑)
…枕銭…。ステキすぎる…!
他に、何処に行くご予定ですか、と訊かれたので「最後にアテネに帰って来た時に、
スニオン岬とフィロパポスの丘に行きたいんですが。」と応えると、じゃあスニオン行きバスの時間を調べますね、と。
フィロパポスの丘は最近追剥のような被害が発生しているので、ちょっと危ないかもしれません、と悲しい情報が返って来ました。
…ううむ、是非あの角度からアクロポリスを撮ってみたいのですが…。
車がアテネ市街に入ったあたりで、「そういえば、私スーツケースバンドが紛失しちゃったんですよ。」とぽつりと管理人が呟くと、
蟹さんが「ええっ!良かったんですか?クレーム出さなくて?」と非常に残念そうな表情を。
…いえ、別に無いと困る物じゃないですし、構いませんよ、と管理人が返すと
「じゃあ、私ので良ければ差し上げますよ。」とのお言葉。
ご厚意が身に染みるのでありがたくお受けすることにしました。
その際に伺ったお話によると、スーツケースバンドを付けるのは日本人くらいなもので、
逆にそこから荷物の所持者の国が割れて狙われる事も多いそうです。
最近あった実例では、エールフランスの職員十数人が結託して、その方法で選別した日本人のスーツケースをこじ開け、
中の物を盗っていたそうです。(全員逮捕されたそうですが)
…管理人のスーツケースは唯でさえ色がド派手なグリークカラーなので、
別にバンドはつけなくてもすぐ見つけられるから大丈夫そうです。
空港から約30分、ホテル「アセンズ・アクロポール(Athens Acropol)」に到着。
既に5時半を回っているこの段階でチェックインしても寝る時間はゼロなのにAクラスのホテルです。
(ギリシャのホテルはL、A〜Eの6ランク制)…うーむ、勿体無い。(笑)
蟹さんにチェックインを手伝ってもらい、無事に両替もしました。
「明日、市内観光が終ってクレタに行く飛行機の送迎の時にまたお会いしましょう!」と蟹さんは去って行かれました。
今後も大活躍の泥縄式アテネ地図(笑)
通された部屋はクリーム色の壁と黒い大理石ばりのような内装のおしゃれな部屋でした。
うーん、天井が高い!
…此処にあと4時間くらいしか居られないのがちょっと悲しい…。(笑)
交替で風呂に入ると、7時近くになっていました。もう立派に朝です。
とりあえず8時過ぎに起きるという事で、本当にわずかな眠りを貪る事にしたのでした。