ROUND 0.5  前泊







9月14日(火)




   朝8時過ぎ、旦那を送り出した管理人、いよいよ単身、家を出発。

   …と、鞄が重いよ、兄さん!(笑)本当にこんなの持って動くことができるんでしょうか?
   とりあえず社宅の人達のいない隙を見計らって、管理人はバス停までスーツケースを転がしました。


   15ポンドの球を投げる黄金の左腕でバスにスーツケースを持ち上げるまでは良かったのですが、
   …これが見事なまでに通路を塞いでいて超邪魔です。(笑)
   人が乗り降りする度に「すみません」と謝罪し続ける管理人、ちょっと恥ずかしいかもしれません。
   確かに、ヨーロッパ十日間サイズのスーツケースはデカい以外の何物でもないでしょう。



   小田Qに乗り換え、ひとまず町田で一旦下車。向かうは三井〇友の外貨窓口です。
   …実は管理人、出発の前日まで両替をするのを忘れかけていました。
   前日になって家の近くのスル〇銀行に駆け込んだところ、

   「申し訳ありませんが、当行では外貨の両替はドルのみの取り扱いとなっております。
    ユーロの場合ですとおとり寄せには数日………

   だ―――っ、そんなの待ってるうちに飛行機がアテネに着いちまうわぁぁ!(爆笑)

   …と言う非常に間抜けな経緯を経て、超重量級の大荷物を抱えて町田をうろつく現在に至る訳です。(涙)


   駅前の三井〇友に到着。
   颯爽と外貨窓口に走ります。
   こちらの窓口には前の週にT/C(トラベラーズチェック)を作りに来たのでだいたいの勝手は把握済み。
   両替申し込み書に希望金額を書き込もうとして、管理人、側の電光掲示板を見ました。

   …ひょえー、先週よりもユーロのレートが二円も悪くなっている!!

   確か前の週に来たときは137円(現金→現金の場合。手数料4円込)だったはず…!(涙)
   ユーロよ、お前はいつの間に…。


   先週作った800ユーロのT/Cに加え、今回も800ユーロの現金を両替しようかと考えていたのですが、
   139円と言うレートを目の前にして一瞬躊躇いが生じ、結局持っていく現金は700ユーロに留めておきました。

   …そして、もう一枚両替申込書を記入。
   そう、かの大英帝国の通貨・£を………50£。(爆笑)
   「おいくら両替なさいますか?」と問われて、「50で。」と答えた瞬間、窓口のお姉さんが凍りました。(笑)
   …今すぐ出かける気満々の大荷物で「50£(1万円)」などと言われたら普通、誰しもフリーズするでしょう。
   しかし、どうせ数時間過ごすだけの土地ですし、1万円もあれば十分です。



   外貨両替コーナーは平日の午前にしてはかなり混んでいました。
   管理人が大荷物を横にぼうっと順番を待っていると、おもむろに小柄なおじさまが。

   「あの、お客様、お急ぎではないでしょうか?」

   なにやらとても心配そうな様子。
   彼はどうやら外貨担当の行員さんのようです。(もしかすると結構偉い人なのかもしれません。)
   いえ、大丈夫ですよ、と管理人が答えると、ああ、それなら安心しましたとニコニコ。
   荷物を抱えた管理人が飛行機に遅れては一大事!とご心配くださった模様でした。
   「今日は前泊なので大丈夫ですよ、ご心配なく。」と返しました。
   その後もどちらへおでかけですか、とか、こちらの銀行は周辺の銀行の中でレートが一番良いので結構混むんですよ、
   などと良い雰囲気でお話してくださいました。
   確かに待ち時間は長かったのですが、おじさまの癒しパワーで非常に和んだ一時を過ごしました。
   …三井〇友銀行町田支店のおじさま、管理人が自信を持っておすすめします。(笑)



   丁度昼になったので、近くのサイ〇リアで昼食を摂り、その日の夕飯もどきを小田Qデパートで買い込んで新宿へ。
   山手線で日暮里まで行き、ここから京成に乗り換えです。

   …が、ここでまた異常事態発生!

   日暮里駅、エレベーターもエスカレーターも無いよ!
   いつもであればどうと言うことの無い階段も、今日ばかりは針の山。(笑)
   いち、にの、さん、はいっ!(笑)とかけ声を付けて一気に階段の昇降をすませました。
   京成って海外に行く利用者が多いはず、…きちんとエレベーターかエスカレーターを付けてくださいよー。(涙)
   ちなみに、管理人の前を昇っていた中国人の方の鞄、引きずっているうちに部品が次々外れて管理人の足下に
   何やら沢山落ちてきていました。(笑)車輪とか、車輪とか車輪とか
   きちんと帰れたんでしょうか、彼は。


   京成ライナーで1時間強、京成成田駅に到着。
   次の駅が空港なので、この駅の段階で大荷物を持って降りる人は皆無です。
   管理人がここで降りたのは、前泊のホテルの送迎バスが駅前から出ているからだったのですが、
   …ここもエレベーター・エスカレーターが無い…。
   うぉぉ、お前もか、京成成田!(笑)
   ひぃはぁ息を上げながら水色の聖衣箱(違)を担いで階段を降りたのでした。
   …すでにこの段階でみっちり修行した気分です。(笑)



   20分ほど待たされて、ようやくホテルからの送迎バスが到着しました。
   車内には外国人が山盛りです。と申しましょうか、日本人は管理人だけでした。
   …そうか、空港近くのホテルだから逗留先にしている観光客がいる訳ですな…。
   しかし、ここから出かけるのは便悪いだけでしょうに…。


   バスに揺られること15分、本日の宿泊先、「マロウド・インターナショナル成田」に到着!
   …ここで笑った方、貴女は国文学通です。(笑)
   そう、文学部出身の管理人と海里君、最後の決め手はネーミングでこのホテルを選んだのでした。まったくふざけた連中です。(笑)
   名前は非常に雅(?)なこのホテル、一階にプールも付いていてかなり近代的。
   部屋にチェックインしてカーテン替わりの木の戸(もしかしてこのあたりが微妙に和風!?)をスライドすると、
   目前に迫る成田空港。

   …ああ、明日は管理人もあの場所から神話の国への一歩を記すのか!

   この段階で時刻は夕方の4時。
   毎週火曜日が会議で、成田への到着が日付変更あたりになるらしい海里君がやってくるまでまだまだたっぷり暇があります。

   軽く小腹が空いたので買ってきたアップルパイと鶏もも焼きをかじりつつ、ホテルのインフォメーションをぱらぱらと
   めくって目を通しました。
   設備の紹介のページに二階のフィットネスと一階のプールが載っていたので、後で是非行かねばと思った瞬間、
   管理人の目に飛び込んで来たのは…!
   ………スカイラウンジ・バー「ギャラクシー」。(爆笑)
   むぉぉぉぉ、カウンターには美形の双子のお兄さんがいるのか!?
   唯でさえギリシャ・カウントダウン状態で盛り上がっている管理人、もはや妄想が止まりません。(笑)

   …と、その欄の下にあるレストランの紹介が目に止まりました。

   …「中華料理・摩亜魯王洞(マロウド)」

   ………なんじゃーそりゃーっ!(爆笑)
   な、なんなんだ、その明らかに日本語でも中国語でもない謎の当て字は。(汗)ひょっとして「夜露死苦」の仲間!?(笑)
   …これを見た欧米諸国の方が何か間違った言語と文化を認識してしまうんじゃないかとちょっと危機感を感じる管理人。
   しかも、解説によるとどうやらこちらのお店は「本格的な中華料理」が売りの模様です。
   「マロウド・インターナショナル成田」をご利用の方、どなたか味の検分をお願いいたします。(笑)



   さて、ひとしきり食って笑った後、管理人は二階のフィットネスへと向かいました。
   瓦礫遺跡探検をするに当たって、まずは人馬宮よろしくトレーニングです。←体力が余っているとも言う
   二階のフィットネス受付に行き、靴箱とロッカーの鍵をもらってうきうきとジムのドアを開けると、良い具合に誰もいません。
   やったー、貸し切り!と思ったら、
   「ジムのご利用にはシューズ(レンタル315円)が必要です。」の張り紙。
   ………フッ、こんなとこには用はねぇぜ。(笑)
   回れ右で一階のプールに向かいました。


   プールも人っ子一人見当たらず、貸し切り状態でした。
   張り切って泳ぎ始めた管理人、すぐに慌てて顔を上げました。

   …水中メガネから水が漏れてくるよ、兄さん!(笑)

   やっぱり百円ショップでケチった自分が悪いんでしょうが、愚痴らずにはいられない。
   管理人は極度の近眼の為、今回の旅行では使い捨てコンタクトの上から水中眼鏡装備でエーゲ海に臨むつもりだったのですが、
   この調子では本番が思いやられる…。
   とりあえず眼鏡脇のゴムを調整し、少しはマシになった眼鏡を装着したまま軽く1時間半ほど泳ぎました。
   …本当に体力が余っている模様。(笑)


   家族連れやおねえちゃんが増え始めた頃を見計らって水から上がり、大人しく部屋に帰ったのは良かったのですが、
   気が付くと猛烈に腹が減っている!(笑)
   そりゃそうだ、あれだけ泳げばお腹も空くに決まっています。
   買っておいた食糧は既に食べ尽くしてしまったので仕方なく売店に下りました。
   売店でおにぎりとアイスを買い、部屋で食べた後、今度は筋トレを始める管理人。
   …ギリシャに行く前から充分聖闘士の素質はあると申せましょう。(笑)
   丁度TVで「た〇しの本当は怖い家庭の医学」をやっていたので、それをBGMに腹筋400回、スクワット90回、腕立て50回。
   番組が変わる頃、風呂に入ってとりあえず頭を洗い、一時間掛けて乾かしました。
   …いやもう、本当にこの人何者なんでしょう。(笑)
   それにしても、パソコンが無いと非常に時間が余ります。


   小人閑居して不善を為そうとしていた矢先、ホテルの電話が鳴りました。
   どうやら海里君が到着した模様です。
   一年ぶりに会ったという印象も殆ど無いままに、「どうせ明日、機内で寝れば良いし、ね。」と3時くらいまでそのまま話し込んでしまいました。(笑)


   海里君の鞄は重量対策を勘案して布製のキャリーケースでした。
   (管理人の殺人的サイズのスーツケースよりも3周りくらい小さい)
   お土産を買ったら入らないんじゃないかと思ったのですが、どうやら増えた荷物は最終的に別の布鞄に詰めて
   持ち込むつもりだそうです。う―ん、賢い…!
   半分スカスカ状態のくせにやたら重い管理人のスーツケースとは大違いでした。
   (既にこの段階で管理人のスーツケースは海里君には持ち上げられませんでした。19.5kgだったのですが。)
   …しかし、この後二人は荷物問題(鞄問題)に悩まされ続けることになるのです。


   さあ、明日はいよいよ出発です。
   外が明るくなりかけた頃、二人はようやく眠りに落ちたのでした。